サザン・ハイブッシュ主産地の動向から日本の適種を探る

必ず成功するブルーベリー栽培の秘密
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前回は「ローブッシュとブルーベリーの品種の選び方」と題して、野生種の果実を採取することで成り立っているローブッシュ・ブルーベリーについて主な品種の一覧と開発動向を解説し、これまで述べてきました品種について適地適作を基礎に育てやすさや多収量、食味、日持ち性などから品種の選び方について解説しました。

今回は、九州~沖縄北部に似たフロリダ州の動向をお伝えしたいと思います。

日本の九州南部(宮崎県・熊本県・鹿児島県)や沖縄北部の気象に類似するフロリダ州では、1960年代にラビットアイの栽培が始まっていますが、ノースカロライナ州から出荷されるノーザン・ハイブッシュの早生種より熟期が遅れるなどの問題から産業として発展しませんでした。

1967年に低温要求量が少なく、熟期が早く、果実品質が優れ、ラビットアイより4~6週間早く成熟するサザン・ハイブッシュ品種の育成により、フロリダ州はアメリカで最も早く出荷できるブルーベリー産地となりました。

この地では、「シャープブルー」「ミスティー」「ガルフコースト」「エメラルド」「ジュウェル」「ミレニア」「スター」などの、比較的休眠要求量が少ない早生品種が栽培されています。

アメリカ・フロリダ州におけるブルーベリー主要品種の特性

指数     :10(最適、大、良)~(不適、小、悪)

収穫期    :4.24~5.15は、4月24日~5月15日を略した表示

フロリダの地域:南部ほど亜熱帯気候に近くなり、北部は比較的に低温要求量の多い品種、南部は低温要求量の少ない品種が適しています。

ラビットアイの品種

ラビットアイの品種では地元市場向け生産や観光摘み取り園栽培が主で、全米市場向けの生産は少ない状況で、早生種では「オースチン」「ベッキーブルー」「ボニータ」「クライマックス」「プレミア」などで、中~晩生種では「ブライトウェル」「チョーサー」「パウダブルー」「ティフブルー」などが挙げられます。

関東に類似したノースカロライナ州の動向

日本の関東地方に類似する気象条件のノースカロライナ州は、ノーザン・ハイブッシュ、サザン・ハイブッシュ、ラビットアイの混合栽培地域となっています。

ノーザン・ハイブッシュでは早生品種の「クロータム」「マーフィー」の栽培が多く、サザン・ハイブッシュでは比較適低温要求量の多い「リベイル」「オニール」、そのほかの新品種の新植が増加しています。

ラビットアイでは、「ティフブルー」「プレミア」「パウダブルー」「コロンブス」などが栽培されています。

アメリカ・ノースカロライナ州における栽培品種の比率

ブルーベリー3種混合地

ノーザン・ハイブッシュ(低温要求量700~1,000時間)

( )内は栽培面積比率

  • クロータム(39.9%)
  • マーフィー(4.5%)
  • ブルーチップ(3.4%)
  • ジャージー(1.8%)
  • ウォルコット(1.5%)
  • ダロウ、ペンダー(1.1%)
  • ブルークロップ、ブルーレイ、デューク、アーリーブルー、ネルソン(1%以下)

サザン・ハイブッシュ(低温要求量300~900時間)

( )内は栽培面積比率

  • リベイル(16.2%)
  • オニール(3.0%)
  • ブラッデン(1.8%)
  • ブルーリッジ、ケープフェアー、レガシー、ピロシキー、オザークブルー、サンプソン、
  • サンタフェ、シェイラ、サザンベル、サウスムーン、スター、サミット(1%以下)

サザン・ハイブッシュ(低温要求量150~300時間)

( )内は栽培面積比率

  • エメラルド、ジュウェル、ミスティ、シャプリン、シャープブルー(1%以下)

ラビットアイ(低温要求量350~800時間)

( )内は栽培面積比率

  • プレミア(9.8%)
  • ティフブルー(8.4%)
  • パウダブルー(2.8%)
  • ブライトウェル、センチュリオン、クライマックス、コロンブス、イラ、モンゴメリー、
  • オムスロー、ウッダード(1%以下)

この記事のまとめ

全5回に渡ってブルーベリーの種類や品種の特性について最近の動向などを踏まえて分析を加えて解説させていただきました。

ブルーベリー栽培の先進地であるアメリカの動向や品種特性を理解することで日本のどこでどんな品種を栽培するか検討材料になろうかと思います。

知識編としては以上となります。

次回は、ブルーベリー栽培の作りこなし技術や実際の経営における楽しみ方などをお伝えしていきたいと思います。