高品質な暖地向きサザン・ハイブッシュ・ブルーベリー

必ず成功するブルーベリー栽培の秘密
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前回は「多収、大粒、食味を追求するノーザン・ハイブッシュ」と題して、ノーザン・ハイブッシュに関して深掘りした情報と日本の動向やハーフハイ・ハイブッシュの主な品種一覧の追加などを共有させていただきました。

今回は、西日本編として高品質の暖地向き品種に特徴のあるサザン・ハイブッシュやラビットアイについて解説させていただきます。

そもそもサザン・ハイブッシュはノーザン・ハイブッシュの品質の優れる果実で、耐暑性の優れる温暖地向きブルーベリーとして育成されてきました。

育種は、フロリダ州タンパをドライブしていた農務省のダロウ博士とフロリダ大学のシャープ博士の発見から始まりました。

彼らは牧場に生える緑陽樹の野生種(染色体数が二倍体)を見つけてFlorida 4Bと名付け、後に農務省のドレーパー博士が常識的に成立し得ない交雑(二倍体種のV.darrowiと四倍体種のV.corymbosum)を試みて偶然にも実生を得ました。

三倍体と予想されたこの交雑実生は、意外にも四倍体で、ノーザン・ハイブッシュ(四媒体)との交雑が可能なことから、交雑育種が続けられて数多くの品種を生み出してきました。

Florida 4Bとノーザン・ハイブッシュの交雑で得られた実生にノーザン・ハイブッシュを交雑した雑種第二代以降の後代は、低温要求量が少なく、強勢で農産性で、特有の香りのある果実をつけるのが特徴です。

一般には野生種を交配親に用いると、雑種実生の果実は野生種らしく実は小粒で暗色で軟果の特徴に類似しており、Florida 4Bを用いた交雑実生は例外的でした。

まさにダロウ博士とシャープ博士の発見とドレーパー研究者としての未知への挑戦が、今日のサザン・ハイブッシュを生み出した歴史があるのです。

サザン・ハイブッシュの品種育成は継続しており、低温要求量が少ない品種の育成は、ブルーベリー栽培が可能な地域を亜熱帯にまで広げつつあります。

ラビットアイの育種目標は大粒、食味向上、熟期集中

ラビットアイは樹勢の強い六倍体種で、アメリカは南部のフロリダ州やジョージア州で自生をしていますが、この野生種の選抜系統から1~1.5世代で育成された品種の「ティフブルー」と「クライマックス」が二大巨塔としてアメリカのラビットアイ産業の基礎を形作っています。

ラビットアイは4種の選抜野生種「メイヤー」「ブラックジャイアンツ」「エセル」「クララ」の交雑から多くの品種が開発されてきましたが、この交雑品種は、1940年に先ほどのサザン・ハイブッシの項目でも解説したように、ダロウ博士やジョージア州のウッダード、ノースカロライナ州のモローらによって始まりました。

この研究はドレーパーやジョージア州のブライトウェルとオースチン、ノースカロライナ州のギャレッタ、バーリントン、、フロリダ州のシャープ、シャーマンらに受け続けられています。

ラビットアイにおける育種の目標は、果実の色、大きさ、肉質、外観、香り、裂果抵抗性、サッカーの発生、病害抵抗性、果実の熟期集中、早期成熟、開花時の遅延などとなっています。

サザン・ハイブッシュとラビットアイの注目品種

アメリカにおけるサザン・ハイブッシュとラビットアイの主要産地は、ジョージア州、アラバマ州、ミシシッピ州などですが、温暖なフロリダ州でも主にサザン・ハイブッシュが栽培されています。

アメリカ中東部に位置するノースカロライナ州はノーザン・ハイブッシュ、サザン・ハイブッシュ、ラビットアイの混合栽培地となっており、品種育成ラッシュと導入が続くサザン・ハイブッシュとラビットアイの新品種についての日本における試験成績や情報は少ないため、ここはやはり先進地であるアメリカの品種動向を参考にするしかないでしょう

この記事のまとめ

今回は温暖な地域で育てられるサザン・ハイブッシュとラビットアイの品種について深掘りした情報を共有させていただきましたがいかがでしたか。

これらの品種育成はジョージア州を中心に、アメリカ農務省やノースカロライナ州、フロリダ州では低温要求量の少ない品種などが育成されています。

最近では、ノーザン・ハイブッシュやサザン・ハイブッシュ、ラビットアイとの種間交雑による五倍体品種の育成の可能性も示唆されています。

次回は、野生種の果実を採取することで成り立っているローブッシュ・ブルーベリーについて主な品種の一覧と開発動向を解説し、これまで述べてきました品種について適地適作を基礎に育てやすさや多収量、食味、日持ち性などから品種の選び方について検討していきたいと思います。