ブルーベリーの収穫に必要な人数と圃場設計

必ず成功するブルーベリー栽培の秘密
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前回にも説明させていただいた平均収量からブルーベリーの10aあたりの成木の収量を計算しますと、サザン・ハイブッシュで657~1281kgになります。

ここでの栽培条件を説明しますと、ブルーベリーの株を定植する密度がノーザン・ハイブッシュ、サザン・ハイブッシュとも列間2.4m~3m、株間1.2~1.5mで10aあたり219~333本、ラビットアイなら列間3m~3.6m、株間1.8mで10aあたり153~183本として計算します。

私の農業生産法人では、1品種を5~7日間隔で4~5回にわけて収穫しており、先ほど説明した平均収量から計算すると、1回あたりの収穫量は10aでおよそ150~300kgになります。

収穫期が揃わないブルーベリーで均質な出荷を実現するためにプロの現場では1日あたりで収穫に取り組むスタッフの配置が重要なポイントで、例えば10aあたり200kgの収穫を1日で終わらせようとすれば8人以上の労力が必要となってきます。

これが半数以下しか配置できなかったりしたら、過熟果などの摘み残しが発生してしまいブルーベリーの樹にも負担を与えますし、病虫害の原因にもなりますので、ブルーベリーの経営を考えていく場合には、このスタッフの配置をそうするかは絶対に抑えておきたいポイントとなっております。

経営者の考え方にもよりますが採用がままならないような地域もあるので、観光農園なども検討してみたいと思います。

ブルーベリー観光農園のアグリハック

私が立ち上げた農業生産法人では、人材の採用が安定しない地域やコールドチェーンが組み立てられないロジスティックに弱みがある地域の圃場では食べ放題の摘み取り農園も運営しています。

収穫に手間がかかるブルーベリーには最適な経営展開と思われがちですが、摘み残された熟果や落下果実の処理など、放置するとショウジョウバエ大発生の原因になるので、ここから全滅という事態にもなりかねないため、別の手間が重くのしかかって決して楽なものではありません。

ショウジョウバエを防除する登録農薬が少ない現状においては、適期収穫と落果の除去が最大の防除となり、市場からのクレームは、果実の軟化や腐敗、ショウジョウバエ被害がほとんどですので、観光農園であっても信頼される畑とされるために手間を惜しむことは先細りの原因ともなり得るので注意しましょう。

無農薬栽培が比較的容易なブルーベリー栽培

ブルーベリーは病害虫の発生頻度が少なく、薬剤散布をほとんど必要としませんが、定植から30年あたりになってくると、いくつか問題になってくる病害虫がいくつかあるので、以下に挙げておきます。

  • 葉が大量に落ちるブルーベリー斑点病
  • 花や新芽が腐る灰色カビ病
  • 枝に大発生するミズキカイガラムシ
  • イラガや毛虫類
  • 果実に加害して大被害を生じるショウジョウバエ類など

外国産のブルーベリーは、食品安全基準で決められた残留基準を満たしていれば、日本の農薬取締役法で使用できない農薬が使われていても流通できる仕組みとなっています。

日本産のブルーベリーでは登録農薬は少ない上に病害虫に対しては、農薬取締役法を遵守した薬剤防除をする一方で圃場環境の改善や適期収穫といった耕種的防除法によって病害虫被害を克服する努力が重要となります。

ブルーベリーの病害虫防除と登録農薬

登録農薬病害虫希釈倍率使用法
ベリー類の登録農薬、石灰硫黄合剤カイガラムシ7倍発芽前まで・幼虫越冬のカイガラムシに効果、初冬季散布にも効果 収穫前日まで
トアロー水和剤CTハマキムシ500~1000倍
ガージェット水和剤ハマキムシ1500倍収穫前日まで
バイオトビコガネムシ幼虫2パック発生初期 6回以内
オレート液剤アブラムシ100倍収穫前日まで 5回以内
ダーズバン水和剤カイガラムシ・毛虫1000倍収穫14日前まで 2回以内(カイガラムシには収穫直後に散布が効果的)
アデイオンフロアチブルオウトウショウジョウバエ・毛虫2000倍収穫前日まで 2回以内
オキシラン水和剤斑点病600倍収穫終了から落葉期 3回以内

ブルーベリーは地域に貢献できる

前回の記事で私の運営する農業生産法人での取り組みを紹介させていただきましたが、ブルーベリーの栽培には、ピートモスの給水作業から定植、有機物マルチ、土壌管理、潅水、除草、収穫、剪定、鳥害防止の網掛け、出荷作業などがあります。

果実の成熟特性を理解できれば、地上で作業でき、収穫する作業も軽く手間はかかっても軽作業なので、シルバー人材センターや婦人会の皆様にとって取り組みやすく、また学生のインターンシップなどの幅広い層で活躍が期待できます。

次回は、最近の育種動向についてシェアさせていただきます。