有機物マルチの積み方と資材の検討

必ず成功するブルーベリー栽培の秘密
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前回は「ブルーベリーの株元には有機物マルチがマストアイテム」と題して、有機物マルチの資材に関していくつか提案させていただきました。

今回は、有機物マルチの積み方についてさらに深掘りした情報をお伝えさせていただきます。

マルチ素材には適する有機物と適さない有機物がある

前回にも紹介させていただいたように有機物マルチにする素材には、木の皮、木材チップ、おがくずなどが適しており、樹種では松などの針葉樹が最適です。

大量の有機物マルチを施用した最初の数年間は、チッ素を20~30%を多く施用量を増やしましょう。

これは有機物が分解する過程で、チッ素が土壌中のバクテリアに固定されてしまうからです。

また、有機物マルチをすると、根が年々表層に集まってきて浅い根郡になって乾燥害を受けやすくなるので、数年に一度は分解して消耗した分のマルチ材を表面に追加する事が望ましいでしょう。

一方で、肥料成分の多い堆肥などの有機物マルチはあまり素材として適していません。

濃度障害が問題となるばかりではなく、土壌中の硝酸態チッ素濃度を高めて、ブルーベリーの栽培に必要なアンモニア態チッ素を減少させることにつながってしまします。

前回の記事の最後でも紹介させていただきましたが、この有機物マルチ、10~15cmよりも薄いと、目的とする蒸散防止や地温上昇防止効果が得られません。

有機物マルチは根域をしっかりと覆う事が必要で、定植後3年ほどは株の周り45cm~70cm幅に、成木では1~1.5m幅に施用範囲を広げるようにしましょう。

マルチ素材には、水の浸透やガス交換が可能な、粗くて壊れにくい木材チップやおがくずなどが向いていて、これらが大量に確保できるのなら通路までしっかりマルチしてあげると良いです。

一般的には草生状態でしょうから年間で4~5回の草刈りが必要になってくるのでしょう。

不織布や黒マルチでも代用できます

庭で数本程度ブルーベリー栽培を楽しむのであれば、厚めの不織布を株の周りに敷いても良いでしょう。

これなら有機物マルチと同程度の効果が得られますが、雑草の発生防止や水をさらに通しやすく寿命が長い点もメリットとなります。

マルチの種類別による地温とサザン・ハイブッシュの生育表

マルチ地温(℃)株サイズ(m3)果実収量(g)
松皮チップのマルチ31.20.183.222
黒マルチ44.20.122173
黒布40.80.132224

*7月15日~8月15日15:00の平均地温

野菜栽培では使用頻度の高い黒マルチは、根域の小さい若木などであれば定植後の2年くらいであれば問題ないでしょう。

アメリカでは成木に黒マルチや透水性のある防草シートをマルチ材に使っているところもあって効果は不明ですし、そもそも黒マルチでは地温が上昇し過ぎて生育に劣ります。

ノーザン・ハイブッシュに限らず、サザン・ハイブッシュでも根の生育適温は16℃付近であって、根域の地温が上昇すると生育が抑えられる傾向にあります。

夏季に気温が30℃の晴天日の日中などでは黒マルチの内側の表面土壌温度は44℃にも上昇するので根の生育は大きく阻害されます。

また温暖化の進む昨今では選択肢としては適さないと断言できるでしょう。

また、各結果枝の先端部に房状に結実した果実の中で、青色に成熟したものだけを選んで収穫するので、その作業には労力的負担が大きくなります。

だからこそ観光農園などで摘み取り体験も面白い取り組みですし、地場消費にも繋がりますが、いずれにしても収穫期の6~9月に労力が集中します。

どの作物でもいえることですがブルーベリーの経営規模は、この摘み取り労力の確保によって決まってくるでしょう。

それでは次回は、この収穫や労力についての考え方を共有していきたいと思います。