ブルーベリーの定植の1年前から土壌矯正をおこなう

必ず成功するブルーベリー栽培の秘密
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前回は「ブルーベリーが好む土を自生地の土壌条件から分析する」と題して、ブルーベリーが好む土壌について解説させていただきました。

今回は、土壌の矯正効果を得るためにいつから始めるかについて解説していきたいと思います。

硫黄粉末による処理が効果を発揮するには1年ほどかかってしまいますので、土壌のpH矯正には定植の1年ほど前に実施して、3~4ヶ月前には再度土壌分析にかけて土壌の状態を確認しましょう。

カルシウムやマグネシウムを含む水の潅水を続けたり、酸性肥料を継続使用したりするとpHが徐々に変動するので、土壌酸度の調査は毎年定期的に実施することが望まれます。

定植後のpH矯正は難しいものですが、必要な時は硫黄を土壌表面から施用してあげましょう。

この時の注意点ですが、少しづつ分けて施用してあげることで薬害を回避するのですが、アメリカなどでは水溶性の硫黄を点滴潅水で施用したりしていますし、日本では薄めた酢とかクエン酸溶液を点滴潅水で施用したりしています。

ブルーベリーの定植の時にはピートモスを増量しよう

反面、硫黄の施用には 土壌活性を害するなどの影響があるので過剰施用に注意し、例えば栽培予定地が好適なpH値をやや超える位のアルカリ土壌なら、硫黄を用いないで酸度矯正をしていくことが望ましいです。

実際には火山灰土を中心とした国内の酸性土壌の多くは硫黄を使わず酸度矯正をすることが可能で、これまで酸性改良で石灰を使ってきた畑や、肥料の影響でpH値が高くなっている畑も硫黄を使わないで酸度矯正をすることができます。

その方法は植え込む穴に対してピートモスを通常よりも多く施用してあげることが挙げられ、ブルーベリーを定植するときに使うピートモスが増える(pH4.5~4.8)ことで、根域に好適なpH値に調整できます。

アメリカでは1株当たり19~38ℓのピートモスを施用し、分解しにくい性質のピートモスを植え込む穴に入れてあげることで、ブルーベリーの根はピートモスを中心に順調に成長します。

時代は効果抜群の有機物マルチです!

ブルーベリーの株の周りに松の皮や木材チップなどでマルチをしてやることでも土壌は酸性に傾いていきますし、生分解性のマルチをしてやることで土壌のpH値の影響に対して緩衝する役目にもなります。

pHが6.0程度までの土壌であればピートモスを多めに入れてやり、定植後にブルーベリーの株の周りに有機物マルチをすることで雑草や病害菌なども防ぎながら育てることができます。

土壌診断はタイミングが命

どのような土壌であったとしても、ブルーベリー栽培に取り組む前にには土壌診断をして適切な処置をしましょう。

注意して欲しいのがpHなどの数値は季節的な条件などによって化学性や物理性が変動しますし、特に他の作物を栽培してきた土壌では季節変動が大きくなります。

そこで土壌診断をするのであれば、冬か早春の土壌の生物的活性が低い時期に、サンプルを採取して実施しましょう。

物理性の確保も重要

ブルーベリーの根が張れる土の層は50cmあれば十分で、土壌の通気性を示す3層分布について、一般には固相45~50%、気相と液相がそれぞれ20~30%程度が望ましいのですが、ブルーベリーにおいては気相と液相を合わせた値(孔隙量)は55~60%程度がよく、これより高い砂質土壌などでは保水性が劣るため、頻繁に潅水が必要となります。

日本の土壌は根域に比較的浅い褐色低地土や腐食含量が少なめな黄色土などがあり、こうした土壌でブルーベリーを栽培していく場合には深耕の上で、大量のピートモスや籾殻などを施用して物理的に土壌を改善しましょう。

すき床破壊、明渠や暗渠、盛り土などによって根域の通気性を確保する必要があるので、ピートモスや籾殻が大量に必要になってきますし、畝間などに籾殻で絨毯のように引くと雑草の防止にもなります。

水田転換地などでブルーベリー栽培を始める場合には、周りも水稲農家でしょうから籾殻に困ることはないでしょう。

また、黒ボク土である火山灰土壌は塩基溶脱が多くなって、リン酸を不溶化する活性アルミナも多く保水性と通気性に優れるためブルーベリーには好適な環境となります。

今回は以上となりますが、次回には圃場選定に穴を掘って排水性を判断する方法や通気性を調べる方法をシェアさせていただきます。