ブルーベリーが好む土を自生地の土壌条件から分析する

必ず成功するブルーベリー栽培の秘密
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前回は「ブルーベリーの耐凍性と生育可能地域」と題して、気温によるブルーベリーの栽培における耐凍性や低温要求量について解説を進めてきました。

今回は、ブルーベリーが好む土壌について解説していきます。

野生ブルーベリーの自生地の土壌の共通点について以下に挙げます。

  1. 通気性に優れていること
  2. 土は酸性であること
  3. 保水性の良い土壌であること

なお、アメリカの主要産地であるニュージャージー州の好適土壌を見ると、有機物を3~15%を含む砂質で、地下水位が50cm程度で乾燥しにくいところとなっています。

また、野生のローブッシュは、有機物を11~13%含むポドソル土壌で自生しているケースが多い。ドソル土壌は寒冷温帯の針葉樹林に生成される土壌でラビットアイ・ブルーベリーもハイブッシュと同様に自生していますが、土壌の適応幅はハイブッシュよりも広いのでハイブッシュが育ちにくい粘土質が多めの土壌でも育ちます。

サザン・ハイブッシュ・ブルーベリーの育種親となった野生種は、ラビットアイ・ブルーベリーと類似する土壌に自生しています。

このように種類による違いは少しありますがブルーベリー栽培に適する土壌特性の基本的要素である上記の1~3は変わりません。

ブルーベリーの栽培には酸性土壌が基本

ブルーベリーの栽培に適している土壌の酸性度(pH)は4.35.3の範囲にあって、ノーザン・ハイブッシュ・ブルーベリーの好適pHは4.3~4.8、ラビットアイ・ブルーベリーとサザン・ハイブッシュ・ブルーベリーは4.3~5.3です。

ブルーベリーの栽培を始めようと思っている土壌の酸性度が高い場合には、鉄欠乏が原因となるクロロシス症状が葉に発生しやすく、pHが4.5以下となった場合にはシルト土壌や粘質土壌でマグネシウム障害が多発します。

しかし、有機物が一定量含まれる砂質土壌や火山灰土壌では、酸性度が高くてもpHが3.6まではこの症状が発生にしくいでしょう。

種別有機物を含む砂質土壌シルト・粘質土壌
ノーザン/ハーフ/サザン・ハイブッシュ種3.6~5.04.4~5.0
ラビットアイ種3.6~5.34.4~5.3

土壌pHmは、ブルーベリーが吸収するチッ素の形態によってアンモニア態チッ素を好んで九州しますが、pHの高い中生や弱アルカリ性土壌では硝酸化成菌が活発化して、アンモニア態チッ素が硝酸態チッ素に転換されやすいです。

反面、酸性土壌では硝酸化成菌の活発性が劣っているため、ブルーベリーが吸収しやすいアンモニア態チッ素が多くなる傾向にあります。

チッ素放出が遅い有機物肥料を施用した場合、タンパク質中のチッ素は最初のうちアンモニア態に変わるのですが、酸性土壌であればこの状態を維持できるので、ブルーベリーが吸収するのに好都合であり、多肥の必要性はなくなります。

ブルーベリーの定植前に酸度の矯正を行う

ブルーベリーを栽培するにあたって、土壌pHを下げるためにもっとも一般的な方法は硫黄の施用です。

硫黄の施用量は土壌分析に基づいて決めるのですが、下記表に土壌の酸性度とpH調整に必要な土壌の性質別の硫黄や石灰の施用量を共有させていただきます。

土壌の性質CEC硫黄量(kg/10a)石灰量(kg/10a)
砂質土壌549~7312
壌土1597~146314
粘質土壌25146~196493

以上のようなケースでは、土壌pHは4.8を目標にします。

アメリカはノースカロライナ州では、pHがラビットアイ種で5.3以上、ハイブッシュ種で5.0以上のケースで水溶性硫黄(90%)を散布して酸度の矯正を行うことが望ましいでしょう。

例えば、砂質土壌でpHを1ポイント下げるには、30㎡あたり453gの水溶性硫黄を処理し、シルトや粘土を含む重い土壌では、砂地で用いた量の2倍を施用しましょう。

そして、硫黄の量は1回の施用で全て終わらせるのではなく、1回に178kg/haを超えないように分けて施肥した方が効果が高いので、必要量が365kg/haだったとしたら、春には半分の178kgをやり、残りは秋に施肥します。

こうしてやることでブルーベリーは良好な矯正効果を得ることができます。

なお、必要施肥回数は総施肥用量によって決まります。

次回は、その矯正効果を得るためにいつから始めるかについて解説していきたいと思います。