ブルーベリーの耐凍性から考えた低温要求量と開花時期

必ず成功するブルーベリー栽培の秘密
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前回は「ブルーベリーの低温要求量と収穫時期」と題して、ブルーベリーが落葉果樹であるという点から、収穫時期や低温要求量について解説させていただきながら、栽培品種の選定の重要性について共有しました。

今回は、耐凍性も考えた低温要求量と開花時期について解説していきたいと思います。

ブルーベリーにおいては低温要求量の大きい品種ほど開花時期が遅い傾向があって、そのためにノーザン・ハイブッシュ・ブルーベリーは開花時期が遅く、おかげで寒冷地に栽培されていても花や幼果が凍霜害を受けることも少ないです。

例外ながら、ノーザン・ハイブッシュ・ブルーベリーでも耐寒性に優れる「パトリオット」は発芽が早く、凍霜害を受けやすいことが問題となっており、低温要求量の少ないサザン・ハイブッシュ・ブルーベリーを関東以西の温暖な地域で栽培すると、発芽と開花期が早まって寒波による凍害や霜害を受ける危険性が高まります。

下記にブルーベリー品種の耐凍性を一覧にしたものを掲載しておきますのでご参照ください。

ブルーベリーの耐凍性を考慮する

ブルーベリーは耐凍性によっても適地が制限されノーザン・ハイブッシュ・ブルーベリーやハーフ・ハイブッシュ・ブルーベリーの野生種は、休眠期の一年生枝(株元や基部から出た枝)でマイナス20~40℃、花芽はマイナス25~30℃で凍害を受け、ラピッドアイ・ブルーベリーでは休眠期の一年生枝がマイナス25℃、花芽はマイナス20℃で枯死した試験データもあります。

ラビットアイ一年生枝の凍害状況

しかしながら、凍害の発生は、植物体が耐凍性の強まっている深い休眠状態にあるか、休眠打破するために必要な低温量にあった後の状態における耐凍性の弱まった状態にあるかどうかによっても変わってきます。

一般には休眠から覚めてた早春にマイナス5~10℃の低温にあうと大被害を被る可能性が高くなります。

ラビットアイ・ブルーベリーやサザン・ハイブッシュ・ブルーベリーは、冬季における最低気温がマイナス7~10℃を記録するような関東北部より北などの地域では経済栽培は成り立たないでしょう。

また、積雪が少なく、冬季の最低気温が頻繁にマイナス15~20℃となるような高標高の地域では、ノーザン・ハイブッシュ・ブルーベリーの多くの品種で一年生枝の先端部や花芽に凍結乾燥害が発生します。

北海道や長野県の開田高原、富士見町、八ヶ岳山麓など900~1000m以上にある地域では、積雪が少なめで寒風による凍結乾燥害が発生することが多く、ハーフ・ハイブッシュ・ブルーベリーの「ノースランド」や「ノースブルー」、ノーザン・ハイブッシュ・ブルーベリーの耐凍性の優れる品種を選択して凍害を克服しています。

また、耐凍性が極めて優れているローブッシュを家庭果樹として育てる場合は、凍害発生の心配はほとんどなくなります。

ブルーベリーの花の耐凍性も考慮する

ラビットアイ・ブルーベリーの花の耐凍性は栽培ステージによって違いまして、発芽期の花芽はマイナス6℃に耐えますが、花や幼果はマイナス2℃でもひどい被害を受けます。

サザン・ハイブッシュ・ブルーベリーの多くの品種は開花期がラビットアイ・ブルーベリーよりも遅いため凍霜害を受けにくいのですが、アメリカの南部地域では、低温要求量が少ない品種の開花が早いことで寒波による凍霜害が問題となっています。

日本でもこうした開花の早晩による凍霜害発生の問題が生じる恐れがありますが、ブルーベリーは開花時期が長いので全滅するようなことはないでしょう。

以上のように耐凍性も考えた低温要求量と開花時期について解説させていただきました。

次回は、ブルーベリーの耐凍性と生育可能地域について解説させていただきます。