わたしは栽培方法という枠組みではなくアグリハックという手法でよい品質という出口にのみ向かって作物を作っています。
ということですから有機農法だ無農薬農法だという型にはまることなく野菜を作っております。
このアグリハックはあまりに異端すぎて周りの農家さんからは「何やってるん?」と不思議がられます。
どういうのもかといいますと通常では異常ともいえるチッソ施用と多湿かん水で野菜を育てるということです。
作物栽培における制限要因を何が解除するのかを知りたいというのが出発点でした。
また安くはないビニールハウスへ投資するにあたって最大のレバレッジを求めるためにも生産量を異常値に持っていきたいという狙いがありました。
微生物の生存環境を最適化させることも加えて、土壌がまるで湿地のような泥状になるほどの多湿多かん水をします。
作物の生育する中で制限要因はなにか?
それは土壌中に水が無尽蔵に存在することで初めて植物はその潜在能力を最大限に引き出すことができるということです。
多かん水栽培を行うため、ビニールハウス内は常に多湿環境となります。
植物が蒸散を活発に行うことで、気孔から多くの炭酸ガスを取り込みつつ、根から葉に多くの水と無機養分を送り込んでいるものと思われます。
これでハッキリしたのは酸素欠乏で根腐れが起こるわけではないという事です。
水が飽和状態にある土壌で根の生長を制限する要因は酸素欠乏ではなく、特定の土壌細菌ではないのかと考えています。