多かん水だからこそ濃度障害にはならない

超多収のためのアグリハック
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前回に引き続いて作物の多収技術に関するアグリハックをご紹介したいと思います。

土壌中の水は重力と密接な関係にある毛細管現象によって土壌中を移動します。

作土層よりも深い土壌では隙間がほとんどないため、水が下に落ちていく重力よりも毛管力が大きいため、土壌水は重力のまま下にはいかないのです。

常に下層土壌にまで多量の水を含んでいることで、高濃度の肥料成分が表層に集積していても、根の障害が起こらないというメカニズムです。

どれくらい高濃度といいますと6m間口で40mの長さのビニールハウスで25kgのチッソ施用でも過剰害は出ませんでした。

土壌微生物環境が最適化されていれば、水浸しのような土壌環境でも根の機能は健全に維持されます。

光合成の原料である水が常に根に供給されることで多量のチッソ成分にも過剰障害となることもなく、比較的小さな根域でも、植物の茎葉部は旺盛に生長するのです。

半滞水土壌では土壌中の水があまり混ざらないようでチッソ成分は土壌の表層に集積していました。

これこそが多かん水栽培が有効である原理といえるでしょう。

根を深く伸ばすことに多くの光合成産物と代謝エネルギーを消費することなく、表層の小さな根だけで濃い無機成分を最大限に吸い上げることができるためだと考えられます。