前回は「第32話 ナスを種から栽培する方法」と題して、月齢に合わせた播種日の決め方などについて共有させていただきました。
今回は、その続きとして播種から発芽までの管理方法について解説していきたいと思います。
農家なら果菜類であれなんであれタネから育てるのが矜持というものです。
わたしの場合はリスクとコストの関係から接ぎ木された9cmポッドを購入して15cmポッドに鉢上げしていますが、以前はタネから栽培もしていました。
ナスを営農作物として本気で取り組む場合にはいくつかポイントがあるわけですが、まず播種用培土はケチらずに信頼できるメーカーの市販培土を使用するのが安全です。
畑の土では発芽にばらつきがでたり、病気が出たとして原因の特定が難しくリスク対応力が低いです。
ナスの接ぎ木に使う台木用も考えなくてはいけません。
128穴セルトレイでは1枚当たり3リットル必要です。
10a分だと6枚で18リットル必要です。
穂木用には水稲育苗箱一枚当たり6リットル予算で10a分が6枚の36リットルが必要になります。
合計すると台木用と穂木用10a分で54リットル準備する必要があります。
発芽をそろえるためにもセルトレイには、どの穴も均等になるようキッチリ培土を充填されるよう気を付けましょう。
播種は充填した培土を軽く押さえてタネの2倍程度の深さの穴をセルの中央につけます。
そこにタネを落としてメッシュが大きめのバーミキュライトで覆土します。
培土が水の勢いで動かないよう細かい目地のジョウロで十分にかん水した後でトンネルに並べます。
トンネルに並べた後はセルトレイに不織布を掛けた上にビニールをかけて保温と乾燥防止を行います。
発芽までの管理方法
ナスの確実な発芽には変温管理が重要なポイントです。
わたしがナスを栽培する丹波地域では播種時期のハウス内最高気温は30℃を超えるので、日中はトンネルの内部温度が30℃でビニールハウスやトンネル内を換気して調整します。
苗箱の上には不織布やビニールを被覆しているので、播種直後から常に湿り具合を指で確認して乾いてきたらかん水するようにします。
具体的な感覚としては培土が指先につかないようであれば乾燥しているのでかん水するようにします。
播種後のかん水は先ほども述べましたが培土が水の勢いで動かないよう細かい目地のジョウロで十分にかん水します。