前回は「第37話 ナスが元気な根張りをしていく環境」と題して、土壌の最適化方法について解説させていただきました。
今回は、土壌の最適化させた後の施肥について考え方を共有してみたいと思います。
ナスを樹勢診断だけを目安に追肥をすると結果的に施肥量が多くなりがちです。
これは樹に吸収された施肥成分の半分以上が実にいってしまうのと、収穫と同時に切り返しをすると持ち出される茎葉が多くなるためです。
これをステージ別にみると、樹の生長量が多い6月上旬(第2週)から、収穫が増える7月下旬(第4週)にかけて吸収量が増え続けます。
圃場条件別では、水分の多い水田では流亡が多いため肥効率が低くなってしまいがちなので、施肥量は結果的に多く必要になるでしょう。
わたしの施肥方法は全面全層施用を採用しています。
まずは雪が降り積もる前にマニュアルスプレッダーで堆肥を全面に施肥しておきます。
春になったら肥料をロータリーで耕耘しながら圃場に施用します。
全面全層施用とは耕耘できる土層に均一に肥料を均一に混ぜる方法のことです。
大規模でやるならトラクターの前面につけて施用するのがおススメです。
果菜類だけの栽培なら別ですが周年において何か作物を作るのであれば機械の購入をおススメします。
機械は20万円くらいですが人件費とスピードで考えると費用対策効果は高いです。
よくご質問を頂くのですが全面に肥料をばら撒いても畝たてをする時に、ほとんどの肥料がうねに集められるので、ロスは少ないです。
わたしの場合は黒マルチはマルチャーを使うので畝たてと同時に掛けることになります。
マルチをかける時期によって有機質肥料の分解と溶出しているチッソなどの肥料成分量が大きく異なるのでそれを見越した施肥計画を立てる必要があります。
定植の一か月前にマルチ掛けを終わる場合は、初期に樹が暴走してしまうのを防ために菜種粕や有機質肥料の原料も考えるようにしましょう。