前回は「第39話 わたしの畑の畝のポリシー」と題して、圃場設計の考え方について共有させていただきました。
今回は、排水対策について具体例を挙げて紹介させていただきます。
排水は明渠、暗渠、弾丸暗渠または心土破砕とうねの間の通路によって行います。
明渠排水
明渠はスコップひとつで簡単に取り組めるので労働量は多いですが非常に安価で作り上げることが可能です。
子供の頃に海に遊びに行ったら必ず砂浜で砂を使って色々なものを作ったと思いますがこの作業もなかなか楽しいので一度はトライされることをおススメします(笑)
明渠の配置は圃場の端に通路とうねに対して直角に入るように設計します。
一気に水を抜こうと考えずに通路から流れてくる水を受けて集水地点に送るのがポイントです。
そして、集水地点から圃場外に排水するようなデザインにするとメンテナスもしやすいのでスムーズな排水が維持しやすいです。
わたしは丹波地方の比較的に粘土質で水の抜けにくいところで栽培をしています。
それでも畑の地形や明渠の深さを調節して雨水が排水したすいように設計しておけば次の日にまで水がたまっているようなことはありません。
弾丸暗渠
これは、トラクターにモールドトレーナーやサブソイラーなどの専用作業機を取り付けて施工します。
水田との輪作を担年で行う場合は、圃場が均平でないと水稲栽培を考えた時に代かきで均平に戻すのが手間なので、弾丸暗渠などを利用した排水システムの方がおススメです。
また、重粘土質土壌などでは、弾丸暗渠のみでは効果が不十分です。
その場合には、本暗渠とモミガラ暗渠を組合わせることで効果的な排水機能が確保できるようになります。
具体的には本暗渠を圃場の長辺方向に、10~20m間隔で、深さ40~50cmに施工します。
本暗渠上部にはモミガラ等を入れておきます。
弾丸暗渠は本暗渠と直交するように、2~5m間隔で、深さ30~40cm程度に施工します。
弾丸造成部が本暗渠上部のモミガラ等に通じることで通水性を増します。
このアグリハックは湿田で作業がしにくい畑や労働力が不足するケースに、前年度の水稲収穫後にあらかじめやっておいてもよいです。