前回は「第47話 ナスの芽かきと主枝の選択から平面4本仕立て」と題して、あまり一般的ではないナスで4本仕立てについて、収量や手間の点でとても成績が良かったので全面的な導入に踏み切り、その方法について解説しました。
今回は、その他の仕立て方についてもご紹介していきます。
支柱を立てる意味は強い風などで苗が折れないようにする効果や枝を任意の方向へ伸ばすガイド役があります。
目的に応じて色々な仕立て方がありますが、まずは2種類の方法をお伝えしたいと思います。
U字仕立てとV字仕立て
まず一般的にはU字とV字という仕立て方があって、その違いは最終的な主枝の形になります。
U字仕立てをする最大のメリットはナスの株の中心に光が入る点です。
U字仕立てのデメリットは株の内側を収穫するので効率が悪いことが第一に挙げられますが、管理する時にも足場が悪くなるので、ついつい腰をかがめる姿勢が多くなってここでも作業効率を落としたり、健康面や安全性が低いことなどがあげられます。
V字仕立ては、支柱を立ててワイヤーと誘引テープを張ることで、伸長していく主枝を固定して斜め上向きに枝を伸ばしてやります。
欠点は枝を誘引テープに固定するのが遅れると節間が長くなってしまうことです。
そして分岐点が裂けないように気をつけながら、徐々に枝を寝かすように誘引テープに固定するようにしましょう。
わたしの畑ではナスは平面三本仕立てで栽培しますがこの仕立て方のメリットはなんといっても作業のしやすさがあげられます。
ナスの獲りこぼしもなくなると思いますし花の状態も診やすいですね。デメリットは強風の時に備えてしっかりと防風対策をしていないと横風に弱い構造なので倒れてしまう可能性があります。
支柱の種類(支柱の長さ、太さ、間隔、形状)
使用する鉄パイプは外形19mmを使っています。
長さは275cmの直管パイプまたは同じ規格のパイプ2本を組み合わせて逆U字に組んだものを使います。
これはホームセンターなどで入手可能です。
うねの端は足場パイプなどを入れて補強をしてやります。
※画像では頂点部分に直管パイプが来てますが目線の高さで誘引のガイドとしても活躍させるとその分作業が減りますよ!
作業手順
支柱パイプの組み立ては次のように行ないます。
- 最初に一番端のうねの端に支柱パイプを立てます。
- 次にそのうねの反対側にも支柱パイプを立てます。
- 強風対策として①と②のうねの支柱パイプの横に足場材を打ち込んで補強します。
- 横面を支える直管パイプは5.5mだと思いますので2.25mに1つの支柱パイプを設置していきます。
- 各うねの端の支柱パイプの上部を直管パイプで目線くらいの高さで繋ぎます。
- 同時に10本おきにうねをまたぐパイプを1.8mくらいの高さで付けておくと歪みなどは生じません。
- パイプの設置が終わったら誘引用のエスター線などを目の高さに取り付けます。
- 次に膝くらいの高さでもエスター線などを取り付けて成育初期段階の誘因に利用します。
- うねの先端が揃っていないと、補強のために連結する直管パイプなどが蛇行して強度が落ちますので注意が必要です。