前回は「第56話 ナスの摘葉・摘果作業」と題して、ナスの栽培中にする作業として摘葉や摘果がありますが、このアグリハックでは重要なポイントとなりますので共有させていただきました。
今回は、栽培期間中の作業として防除がありますが展着剤の効果などについて解説します。
農協出荷や市場出荷が中心だと休みの日の前日にはナスの出荷先がなく、収穫ができないので、そのときが薬剤散布を行うタイミングになります。
一般的に薬害は30℃を超えると起こりやすくなるとされているので時間帯は夕方が最も安全なので休みに入る前に収穫した日の夕方に行えるようにスケジュールしましょう。
農協出荷していないと営農指導員の人が巡回してくることもないでしょうから案外にわからないのが散布する農薬の量ですね。
わたしも就農した最初の年は農協という存在をよくわかってなくて量販店へ直接出荷していたので剤の使い方はよくわからなかったものです。
ここで述べることではないのでまた別の機会に譲りますが農薬はしっかり生理に及ぼす作用などを調べて適切なものを使えば安全です。
薬剤の散布量は具体的には散布した後、葉からわずかに水滴が落ちる程度が目安になります。
病害虫のほとんどは葉裏から発生するので、農薬を散布する時は葉裏に掛けるようにしましょう。
噴口は長く使うと穴が大きくなるので、霧の粒径が大きくなって薬剤が無駄になります。
ここでも効率を考えて一定量の散布をしたらノズルを交換するようにします。
水和剤を溶く時は、展着剤から水和剤の順にすれば成分の水中での分散が良くなります。
展着剤には、大きくわけて3つの効果が期待できます。
- そもそも展着剤って初めて利用する人には意味不明な薬剤なわけですがこれは表面張力を下げて葉や茎などへの付着を良くするためのものです。
- 固着性と言って付着した薬剤が雨で流れにくくする効果もあります。
- 均一な薬液にする、などの効果も期待できるといえます。
薬剤の濃度は濃くするほど効果が高いとは限りません。
肥料でもなんでもそうですが過ぎたるは及ばざるがごとし。
特に農業は足してから引くのは至難の業です。
まずは薬剤の袋に書いてある通りの規定濃度の範囲で薄い濃度で試してみることをすすめします。