ディズニーの片づけ

年収1000万の農家になるまでに僕が読んだ100冊の本
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 本書を読むきっかけはわたしの経営する農業生産法人でJGAPという「日本の良い農業の仕組み」を取り入れて安心・安全を自らが謳うのではなく、第三者認証機関によってより踏み込んだ農業経営をしたいと考えたからです。

東京ディズニーランドでカストーディアル(パーク内の清掃・安全・安心を担当するセクション)部長を務めた著者が、「世界一」と断言するディズニー流の片づけについて書かれています。

著者はディズニーの掃除・片づけがすごい理由についてこう記しています。

何のために掃除し、片づけるのか = 美観は業績に直結する

安心・安全のためにはまずは自分たちがそういった環境で仕事を行わなければならないのですがお恥ずかしながらわたしたちはまだ整理整頓はできておりません。

そこで学んだのがディズニー流の掃除・片づけを会社やJGAPに取り入れたいときにも、考えるべきは「なぜ」という問いかけだということです。

逆にやってはいけないのは、いきなり「どう掃除し、片づけるか?」というテクニックばかりを掘りはじめることだそうです。

そして、もしディズニーが一切思考することなく、機械的に片づけや清掃の質だけを上げようとしたのなら、現在のような清潔さは実現できなかったであろうと述べておられます。

つまり、キャストが「なぜ掃除し、何のために片づけるのか?」という本質を見失うことなく、誇りを持って取り組んでいるからこそ、得られる清潔さや美観が大きな価値になるというわけです。

そしてそれは業績に直結し、自分の生きがいの対象にもなるのだとか。

ここでは単なる整理整頓で終わらせては勿体ない本質を知ることができました。 

安全こそが最大のホスピタリティー

 東京ディズニーリゾートの掃除・片づけにおいて、清潔さ、安全の確保は「グッドショー」の根幹をなすもののひとつです。

グッドショーとは、ディズニーとして状況やものの良し悪しを表現する言葉だそうです。

ディズニースタンダードを満たしていればグッドショーになり、反対はバッドショーになるわけです。

そこで、なぜグッドショーをつくるのかといえば、もちろんゲストに「ハピネス」を提供するためです。

つまり、そのための行動規準として「安全」を最優先に考えているというわけです。

これはJGAPの入り口としてとても参考になる説明だと思いました。

ディズニーの『片づけ』と『行動規準』の関係を自分への備忘録を兼ねてご紹介します。 

  1. Safety(安全)
  2. Courtesy(礼儀正しさ)
  3. Show(ショー)
  4. Efficiency(効率)

S:片づけは、ゲストが安全で安心して過ごせるパークをつくる(Safety)

C:片づけは、心を込めた「おもてなし」の表現(Courtesy)

S:片づけは、エンターテインメント性豊かな美しい景観をつくる(Show)

E:片づけは、いつでも均質的に整った機能的なパーク状態を維持する(Efficiency)

ディズニーの掃除・片づけは、すべてこうした経営哲学、事業理念に端を発しているということですね。 

TDRと工場の違い最近、わたしはより競争力をもった農業生産をおこなうためにリーン・シンキングを勉強しています。

本書でもディズニーの掃除・片づけに対する考え方やテクニックを伝えるために、「TDRのようなエンターテインメントを提供している場所」と「大きな機械を使って、高品質な製品をできるだけ低コストで大量生産し、世界中のライバルと競争している工場」において、「追究すべきことの違い」が紹介されていました。

【TDR】

より一般的な意味での安全性テーマやストーリーの演出クリエイティビティー、希少性の確保いままで経験したことがない幸福感や感動の生産効率やコストの計算は後回し人や気持ち(自分自身も含む)が相手

【工場】

シビアなアクシデントに対する安全性作業の正確さ同質性の確保と大量生産商品開発されたモノの生産効率の追求、限界までのコストカット製品や機械など「モノ」が相手

工場とTDRの最大の違いは、相手にしているものの要素です。

工場が相手にしているのが画一的な商品や製品、それらをつくり出す機械などの「モノ」であるのに対し、TDRは人が相手であり、究極的には見えない「気持ち」に働きかけるというわけです。

どちらがどうだということではなく、整理整頓には重要な価値があるものです。

ただし目指すものは明確に異なるので、まずはこのポイントを深く考えることが、その場所に合った片づけを探るヒントになるのだと学びました。

ディズニーの片づけが役立つ職種ディズニーは、ゲストに対してカスタマイズしたハピネスを、そしていまだこの世にないものを生産している場所なのです。

だからこそ、本書の読者の仕事がクリエイティブだったり、人が相手の仕事だったり、まだ誰も実現していないジャンルに果敢に取り組む仕事だったとしたら、ディズニーの考え方やが役立つはずだと著者は説いています。

わたしは農業もクリエイティブな仕事だと思っています。
ですから、ディズニーの仕事に対する姿勢を本書から学び取ることができるビジネス書としての強い説得力があるおススメの一冊としてご紹介させていただきました。