第66話 ナスの主要病害と9つの処方箋

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前回は「第65話 露地ナス栽培で発生する病害の特徴と対策」と題して、周年でナスの栽培をするためにも露地ナス栽培で被害を及ぼす病気、害虫の特性と、被害を防ぐ方法について紹介させていただきました。

ナスの栽培中にはいろいろな病害に悩ませされることがあると思いますが、わたしの畑でも栽培の最適化をはかった結果、無農薬栽培できるようになりました

これからご紹介する病害にはその症状が重いものから軽いものまでありますが症状が軽いものをつい放置しがちです。

軽いものを放置することで年間を通すと大きく収量や品質に影響を与えるので逆に注意が必要です。

①  根腐疫病 

糸状菌(カビ)のフィトフトラ属菌によって発生する病害です。露地栽培では定植直後の6月頃から見られ、梅雨期に急増してきます。

根に発病すると全体が褐変して根量が少なくなり、細根はほとんど消失してきます。識別の目安は指でつまむと側根の表皮が簡単にはがれ中心柱だけが残るのですぐに判別できると思います。

 ②  半身萎凋病 

これも糸状菌のバーティシリウム属菌による病害になります。

七月上旬に冷涼地の露地栽培で多発します。発病初期は下葉のところどころに褐色斑が生じ、葉が萎れてきます。

 葉の状態の見方ですが最初は葉脈間が部分的に黄化して、徐々に褐変します。

この病気に類似した症状を示す青枯病も考えられますが、下葉の片側から黄化が始まることはないので株の一部または全体が急に水分を失って青いまま萎れるのが特徴です。 

③  青枯病

ナスでは最も被害の大きい病害で、病原は細菌のラルストニア属となります。高温時に発生する病害で、露地では梅雨明け頃から発生します。

病勢の進展は非常に速く、発病後数日で株全体が萎れ、青枯れ症状となり、その後一週間程度で枯れてしまいます。

 隣接する株も発病する場合が多いので注意が必要です。

 ④  褐色腐敗病

この病気は、まず、育苗期、しかも育苗後期に発生することが多いです。

糸状菌(カビ)のフィトフトラ属菌に汚染された育苗用土に播種すると、定植後にも発生するので露地栽培では6月上旬以降、とくに梅雨後半から9月にかけて降雨の多い時に被害が目立ちます。

苗の地際部に淡褐色で水浸状の病斑ができて葉が萎れ、病斑部がくびれて苗は枯れてしまいます。また、葉や葉柄は、熱湯をかけたようになります。

定植後には地際部や根が侵され枯れることがありますが基本的に自根栽培に限定されます。

症状は収穫後に出荷先の店頭などで発生することも多く、クレームの原因となりますので無視できない注意が必要な病害のひとつです。 

 ⑤ 褐紋病

糸状菌のホモプシス属菌による病害です。ナスでは最も普通に発生する病害で特に暖地で被害が大きいです。

梅雨明けの頃から多発するようになって被害は盛夏を過ぎるとさらに多発します。

病気が進行すると、ナスの実はヘタの部分から落ちたり、そのまま乾燥してミイラ状となります。ナスを輸送中に発病することもあるので注意が必要です。

⑥ 茎腐細菌病

エルウィニア属の細菌による病害で、9月の降雨が続くと多発します。

収穫期に株の一部の枝が黄化や萎凋します。被害部位は「接ぎ木部の上部」と「芽かき部」とがあります。

接ぎ木部の上部の被害は、接ぎ木部から20~30cmまで茎の表皮が褐変して株全体が萎凋や枯死をします。芽かき部の被害は、芽かき部を中心に茎の表皮が褐変し、上位の葉は黄化や萎凋し、やがて枯死します。

 枯死症状は、青枯病の症状とも類似するが、区別するいは表皮一様に褐変した病斑が見られ、根が健全なことからわかります。

⑦ うどんこ病

糸状菌のスファエロテカ属菌による病害で、株が繁茂する夏から秋にかけての発生がみられます。被害は中から下位葉などの部位で多発します。

 主に葉が侵され、はじめ葉表のところどころに、うどん粉をふりかけたような白色のカビが生じていき、次第に葉全体に病斑は広がります。

⑧ 褐色円星病

 糸状菌のパラサーコスポラ属菌による病害で、ナスでは最も一般的な病害です。

8月頃から発生しますが、秋口になって降雨が続くころに発生しやすく、急に加してきます。

 葉だけに発生し、はじめ輪郭のはっきりしない小さな褐色の斑点ができます。

この病斑は次第に拡大して、3~5mmぐらいの円形または楕円形になる。ひどく侵されると落葉します。

実害は少ないですが注意は必要です。

⑨ モザイク病

主にモモアカアブラムシ、ワタアブラムシなどのアブラムシ類が媒介するキュウリモザイクウイルス(CMV)に感染して発病します。

したがってアブラムシ類の防除(後述)を励行しましょう。 

初期の症状として、成長点に近い葉に不明瞭なモザイク斑紋が見られるかと思います。

後期には、明瞭な黄斑のモザイク症状となります。

症状がひどい場合は果面が赤褐色になり、草丈がやや低くなります。

以上9つの病害をご紹介させていただきました。

常に観察をおこたらずに適切なタイミングで適切な処置をすることで被害は最小限に抑えられますのでナスの株が持つ、ポテンシャルを最大限に引き出してあげましょう。 


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