第73話 ナスの生産現場に導入するうえでの課題と方法

10倍儲かるナスの栽培アグリハック
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前回は促成なすの冬期における増収アグリハックから3種類の栽培方法を用いて促成なすにおける昼加温と炭酸ガス施用の併用効果をご紹介させていただきました。

しかしながら、あのアグリハックをいきなり自分のビニールハウスに導入するには課題もいくつか残っているので今回は、千両なすの栽培において炭酸ガスを施用した試験事例がほとんどみられないなかで実施したことあり、さまざまな部分について手探りで試験を行っています。

ビニールハウス内の炭酸ガス濃度や施用時間帯、効果的な炭酸ガス施用の方法などは今後の試験研究で明らかにしていく予定であり、現在も持続して取り組んでいます。

また、昼加温と炭酸ガス施用のダブルハックで上昇するコストもハッキリさせる必要があります。

今回、当研究所の試験をもとにした試算では、10aに導入する場合、イニシャルコストとして約86万円、ランニングコストとして約47万円かかる計算になりました。

ただし、各現場ではハウスの形状や施用方法によって必要な機材や施用コストが変わってくるので、この数字を直接当てはめることはベターとは言えません。

昼加温と炭酸ガス施用の併用効果についても、温度や日照条件により試験成績どおりの増収効果が得られるとは限りませんので、これらの内容についてはわたしの畑での試験を通じたデータ収集および経済性試算を通じた導入モデルの提供により対応していきたいと考えています。

これらがどのモデルにも当てはまるような結果を提供することができれば生産現場で昼加温と炭酸ガス施用の併用を実施することで、農家の収益性が改善されると期待しています。

 わたしの経営する農業生産法人では生産者団体を主宰させていただいており、団体で平成24年度に行った土壌診断点数は20点を超え、土壌診断に基づく適正施肥の推進をしております。

土壌診断の結果やおススメの施肥設計を生産者に手渡します。

それが生産者が利用して土壌養分状態の改善や作物の収量や品質の向上につなげることが大切だと考えています。

土壌診断は、毎年6月なすの収穫終了後すみやかに、圃場ごとの表土を採取します。

より精密な診断を行うために採土器を用いて地表から深さ40cmまで10cmごとに土壌を採取し、phとECを測定しています。

土壌採取は、なす生育中の11月と翌年2月にも実施して、追肥のタイミングが正しかったかどうかの参考にしています。

また、毎年7月には、土壌分析結果に基づいて作成したアグリハックによる施肥提案と、防除指導も絡めた栽培講習会を開催しています。

土壌診断結果に基づく土づくりと施肥で収量が安定

こうした取り組みによって、生産者は土壌診断に基づいた施肥の大事さを認識するようになっています。

直近2年間の土壌分析結果では、ビニールハウス栽培のためリン酸や塩基含量は高めに推移していますが、この間の蓄積はみられず、ほぼ横ばいとなっていました。

リン酸が蓄積しているので、リン酸施用量は一般施肥基準に比べてかなり抑えており、減肥に対してかなり意識しています。

さらに、すべての生産者が土壌の物理性を改善するために、有機物として籾殻堆肥を毎年2~3t/10a施用しています。

このような土壌診断に基づく土づくりと施肥の取り組みで、なすの収量は安定して10t前後を維持しております。

さらに、近年はミツバチによる交配を取り入れて、栽培の省力化にも取り組んでいます。

アザミウマ防除対策が課題

去年はアザミウマが増加し、カスリ状の傷が生じるなど、なすの品質が低下しており、その防除対策が課題となっています。

そこで今後の土壌改善点を紹介させていただきます。

①硝酸態窒素が多く残っており、ph(H₂O)がやや低めで推移しているので、窒素肥料と堆肥の施用料を減らす。

②リン酸は、まだ過剰に蓄積しているのでさらに減肥する。

生産ごとに土壌診断を進めていくことにより、生産者団体全体の土づくり・施肥改善を推進しています。

そして作物の生産性向上をめざす活動を今後とも継続していきたいと考えて考えています。


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