山と田畑をシカから守る

年収1000万の農家になるまでに僕が読んだ100冊の本
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もし、あなたが中山間地域を担当する普及指導員なら、これまで見慣れたのどかな農村の風景に慄然とするかもしれない。

私自身、シカにやられた被害現場での検証作業を始めたのち、もはやのどかな気持ちで林道や農免道路を走ることはできなくなった。

シカ問題の、危険極まりない現状をどう表現したらいいのか。

「全国中山間総シカ牧場化」の危機といっても過言ではないような気がする。

どんなシカ対策の文献を見ても、真っ先に気付き、真っ先にやるべきことが欠落している。

「真っ先にやらんとアカンこと」がわかれば、あとの対策はあなた自身が担う番である。

あなたが先頭に立って、「シカ寄せ農業」を「シカ除け農業」にかえてほしい。

「やらなあかんこと」の中には、「ある農作業の省略」や「やる時期を遅らせるだけ」といった労力的には負担が増加しない項目も多いから、きっと実践できる。

私自身が経営する農業生産法人でも、新たに増える田畑もあり、シカ対策にはすすんで取り組んでいかなければならない。

「君がため 春の野に出でて若菜摘む 我が衣手に 雪はふりつつ」(光孝天皇)は、たぶん「雪の中、私はこんなに苦労してあなたのために若菜を探しまわって摘んでいる」という恋人への好感度アップをねらった作だ。

枯れ草の間を探しては摘む。今では「若菜」は摘むものではなく、刈るか踏むもので、シカさえほとんどは食い残す。

「緑草帯」を出現させる作業時期や出現状況は、地域の気象や農業形態によって、大きく異なる。あなた自身が野菜も草もシカの餌という視点でそれぞれの地域のそれぞれの農生産システムに潜むシカ化対策上の欠落をぜひ見つけてほしい。

「緑草帯」を出現させないに越したことはない。

林道を始めとする種々の道路の路肩やノリ面、牧場、緑化公園、河川堤防は年中緑草で覆われ続けている。

管理するさまざまな機関や組織がほんの少し、システムを見直すだけで、これらの大半は冬枯れか裸地にできる。