トマトの生理障害をハックするパート2

超多収のためのアグリハック
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前回のコラムでお伝えした内容と冒頭重複しますが今回は水分コントロールの側面からトマト栽培をハックしたいと思います。

トマトを育てていると尻腐病や裂果などの障害から思った以上に収量を落としてしまって残念な思いをされたことがあると思います。

わたしも今までいろいろトマトの品種の栽培を手掛けてきました。

露地栽培で育てるソバージュ栽培なんかでは裂果をどうしても克服できませんでしたが解決の糸口がやっとみつかったところです。

障害が起こる要因について考察して、それらを防ぐためにはどうすればよいかを解説します。

トマトの生理障害の主な要因は、肥料成分によるものや温度管理・水管理によるものがあります。

また人為的な外部要因によっても起こります。

これらの主な要因別に、それぞれの障害について説明していきましょう。

水分過多だと黄化します!

[鉄欠乏症]

隔離床栽培や水耕栽培においては全体に黄化症状が見られることがあります。

通常の鉄欠乏症状は上位葉から黄色くなるわけですが隔離床は傾斜をつけてあるため、水がたまる所では過湿になります。

特に水耕栽培などでは、すべてのトマトが黄色くなって、分解をすると鉄含有率が低下していることがあります。

わたしが実験したトマト水耕栽培での研究から対策をご紹介します。

これはトマト栽培において、よくいわれることですが水を切って、乾燥させる栽培法に変えると発生しません。

これは、トマトが根から鉄を吸収するため、なんらかの根酸を出しているからだと考えられます。

絶えず水が根の周辺を流れることで根酸が流亡し、土壌にある鉄を可溶化できないので鉄分が吸収できなくなりあす。

このような理由で鉄欠乏症が発生するのです。

水分量を一定に保つ

[裂果]

同心円状の裂果は、高温日射で老化した果実肩部が、降雨による土壌水分の急変や果面からの給水による膨圧で裂けたものです。

去年のソバージュ栽培ではずいぶん悩まされた症状だったのですがビニールハウスでのコントロールは比較的容易です。

ハウス内で最低気温が14℃以下になると、多チッソ、多水分の場合でも放射線状裂果や環状裂果が生じます。果実が裂果し始めたら保温をしつつ、水やりを控えます。

[網入り果]

これは多肥条件で、土壌が適温から乾燥に変わると出やすい障害です。

また夜露の氷結で果実障害なども考えられます。

水をあげる時間はいつがいいの?

大分県の農林水産研究指導センター農業研究部トマト・ピーマンチームが2013年度に行った実験結果によると、水やりを早期から午前11ごろにずらすことで、裂果率が下がったといいます。

これは、早朝は光合成が弱く、葉からの水分の蒸散も少ないので、水は葉よりも果実に流れやすくなります。

このために裂果が生じやすくなるからと考えられています。 

UVカットフィルムも効果的

また、UVカットフィルムで紫外線をカットすることで劣化の防止に効果がありました。

夏の強光も、裂果を引き起こす大きな要因となります。

このように出荷量を上げるハックとトマトの品質を向上させるハックをすることで長期どりするトマトなどでは農家によって大きな売り上げの差がでてきます。

特に水のコントロールなどは時間を変えるだけなのでコストはかかりません。

是非、取り組んで収益のアップにつなげていきましょう!