誰でも始められる植物工場のススメ

超多収のためのアグリハック
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わたしは農業生産法人を経営している中で農業コンサルタントとしても活動させていただいております。

その中で植物工場における採算性について取り組むことになりました。

個人的にイチゴの植物工場には興味を感じていたのでブログでも紹介していきたいと思います。

まず植物工場のコストには基本的なものが二つあります。

一つには生産コストであり、もう一つは最初に必要になる設備コストです。

この設備コストには建築、照明設備、電気設備、空調設備、給排水設備、水耕設備、機械装置など、またそれらの工事費、現場経費など諸経費が含まれます。

これらすべてにおいてコストダウンの努力がまだまだ必要で。特に光源にLEDを使うと特に照明設備のコストが膨大になり、全体の半分を占めてしまいます。

一方で生産コストは電力代や各種材料費、人件費、出荷経費、管理費などの変動費および上記設備コストの償却費から成ります。

収入は少なくとも変動費以上でないと経営を持続させることができませんし、利益を出すためには販売価格は変動費+償却費を上回る必要があります。
 ここで大中規模の植物工場における生産コストの概算を行ってみたいと思います。

照明設備のコスト計算

完全制御型植物工場において、設備コストの中で大きな要因を占める照明設備のコストをx円と定義します。

ここではLEDのみ利用の植物工場の場合を計算してみます。

この場合は全設備コストが照明設備の2倍かかると仮定して2x円とします。

償却年数を10年とすると、償却費はx/5になります。

そこで全生産コストを償却費の3.3倍(償却費が30パーセント)と考えるとして、3.3x/5円が与えられるということになります。

1日の生産株数をn、全植付株数をm、栽培日数tとすると、n=m/tが成立します。

栽培日数tを20日と固定すると、商品化率を90パーセントとして1株当たりの生産コストkは、上記を0.9×n×360=324nで割ってk=20x/491m=x/24.6m、と求められるというわけです。

植付1株当たりの照明設備のコストをy=x/mと置くと、1 k=y/24.6と計算できます。

これらの計算方法は色々なところででていますのでそちらの方も参考にされるといいと思います。
 次に蛍光灯植物工場の場合はどうかといいますと、全設備コストは照明設備コスト(xよりずっと安くzと置く)の3倍かかるとして3z円になります。

蛍光灯の寿命はLEDより短いのですがシンプルな装置なので、この場合の償却年数も10年と考えます。

全生産コストを償却費の4倍(償却費が25パーセント)と考えるとして、償却費は0.3z、全生産コスト1.2zが与えられます。

その場合は植付1株当たりの照明設備のコストをy=z/mと置いて、2 k=y/13.5になります。

安価な電球型蛍光灯の場合は全設備コストは照明設備コストの5倍になるとして3 k=y/8.1になります。

このトピックスの目的は「誰にでもできる」ですから、ここは当然蛍光灯に軍配があがります。

最後にLED+蛍光灯併用型の場合は上記二つの場合の中間になると考えられます。

全設備コストは照明設備コスト(xとzの中間のwと置く)の2.5倍かかるとして2.5w円になります。

この場合の償却年数も10年と考えると、全生産コストを償却費の3.6倍(償却費が28パーセント)と考えるとして、償却費は0.25w、全生産コスト0.9wが与えられます。

その場合は植付1株当たりの照明設備コストをy=w/mと置いて、4 k=y/18になります。例えば蛍光灯植物工場の場合にyを1,500円として2を使うと、k=111円と計算されます。

電球型蛍光灯の場合にyを750円とし3を使うと、k=92.6円になりいちばん安いという結果となりました。

蛍光灯+LED植物工場でy=2,500円と考えると、k=185円となります。

最後にLEDのみの場合にyを6,000円として1を使うと、k=244円と計算されます。

コスモプラント植物工場の場合、y=6,537円になっています。

LEDの寿命が長いとはいえ、単純計算ではLEDを使う植物工場の採算性はかなり難しいことがわかると思います。

※ここではLEDと蛍光灯の寿命および生産物の品質、生育の違いは一切考慮していません。
上記を一般化してみたいと思います。

照明設備コストをx、全設備コストを照明設備のa倍:ax、償却年数を10年として償却費はax/10

全変動費は償却費のb倍としてbax/10

全生産コストは(1+b)ax/10。

1株当たりの生産コストkは、これを0.9×n×360=324nで割ってk=(1+b)ax/162m

植付1株当たりの照明設備のコストをy=x/mと置くと、k=(1+b)ay/162

a、b、yが小さいほど生産コストは安くなるが、a、bとyは相反関係にあります。