活発な蒸散で常に下から水を吸い上げる

超多収のためのアグリハック
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前回のトピックスで多かん水が作物の生長限界要因を外すメカニズムを紹介しました。

今回はその補足説明と細菌の動きはどうなるのかという部分の話をしたいと思います。

活発な蒸散で常に下から水を吸い上げる

表層土壌中の肥料成分が希釈されないもうひとつの理由は、半滞水をしている状態の多かん水栽培では水の蒸発散が常に機能し続けるからです。

土壌を失わせる最大の作用は植物による蒸散です。

多かん水した後の土壌水は全体的に常に上に向かって移動します。

アグリハックでは必ずしも硝酸カリウムを使うわけではないのですが、表層に多くの硝酸態チッソがある環境では、同様に土壌が還元状態にならないような無機的な代謝が行われていることは確かです。

細菌との関係性を紐解く

多かん水栽培でも根腐れを起こさない3つの条件を明らかにします。

  1. 土壌が弱酸性であること
  2. 特定の土壌細菌の数と活動が制限されていること
  3. 水浸し状態でも土壌が還元状態にならないこと

アグリハックにおいては、これらの実現にアルギットなど特殊肥料資材に含まれている特定の細菌が関与している可能性が大きいと考えています。

それは有機物も酸素も消費しない化学合成細菌か、「古細菌」とも呼ばれる始原菌ではないかと思われます。

これらの細菌が水浸しの土壌に定着して優勢となり、無機成分の可溶態化と循環が促進されます。
こうして土壌伝染性の病原菌が活動できないような土壌環境が完成していきます。

しかし、そのような溶存酸素が欠乏しかねない土壌で、有酸素呼吸をする根が健全に生長、発達できることも意外でもあります。

今後、この部分の解明に向かって進めて研究を進めていきたいと考えています。

現在のところ推測の範囲内でわかっていることを述べると約三六億年前の海で、始原菌や化学合成細菌のような生命体が地球上で最初に出現したと考えられています。

現在の陸生被子植物も、水中のように水で満たされた環境で生活するための遺伝因子を今なお備えているのかもしれません。

もし、そうであれば水の力を活用するこのアグリハックは理に適っているといると思います。

今後その原理を完全に解明することで、陸生植物が直面する制限要因を解除して、その潜在能力の最大限の生長を実現できれば、これまでとは異次元の新しい農業技術に進化するのではないかと期待しています。