前回は「栽培プロジェクト計画書とベースライン」と題して、栽培プロジェクト進捗管理をもう少し掘り下げて解説させていただきました。
次に2階層で行われる栽培プロジェクト進捗管理である「栽培プロジェクト実行の指揮・マネジメント」と「栽培プロジェクト作業の監視コントロール」、そして4つのベースラインを設定します。
「栽培プロジェクト実行の指揮・マネジメント」のベースラインは、資源カレンダーとコスト・ベースラインです。
「栽培プロジェクト作業の監視コントロール」のほうは、栽培スケジュール・ベースラインと品質ベースラインになります。
この仕組みの大半はすでに説明した内容から理解できると思いますが、「農産物の単品管理」だけは、初めて出てくる用語となります。
これについて補足説明をしたいと思います。
「農産物の単品管理」とは、栽培プロジェクト農産物単品ごとに作成の予定生産工数を見積もり、その進捗評価も農産物の単品ごとに行うことを意味します。
例えば、AHSに記載された取引仕様書作成の平均工数は10人日ですが、ある担当者に割り当てられたものの1つは、20人日になるという見積もりが出てきたとします。
実際の作業ではさらに2日ほど遅延して、実績工数は22人日を要しました。
このように、成果物単品ごとに作成工数を見積もり、実績の把握も単品で行います。
これが「農産物の単品管理」です。
AHSに記載した平均生産工数は、栽培プロジェクト農産物全体の平均生産工数でしかありません。
ここの農産物の見積もりにその数字を当てはめるわけにはいきません。
平均生産工数を使って、担当者に農産物を割り振ることはできないのです。
栽培プロジェクト成果物の単品管理は、「栽培プロジェクト作業の監視コントロール」の大原則なのです。