前回は「農産物開発工程にコードが定義されていない場合に起こる問題点」と題して、栽培プロジェクト進捗管理のコスト集計単位である農産物開発工程(要するにAHSコードです)が定義されていない栽培プロジェクトについて解説させていただきました。
ここでは栽培プロジェクト進捗管理の本質について説明したいと思います。
繰り返しになりますが、栽培プロジェクトの進捗は、AHSに定義した栽培プロジェクト農産物を生産することで計上されます。
栽培プロジェクト進捗管理で実現すべきは、AHSに記述した農産物を、予定のコストで予定にまでに完成させることにあります。
そのためには、マスタースケジュールを実現する資源カレンダーとコスト・ベースラインに沿って、栽培プロジェクトを運営する必要があります。
農産物に関していうと、スケジュール・ベースラインに沿って、栽培プロジェクト農産物を生産しなければなりません。
そのためには、農産物開発に携わる担当者にやる気を与え、目標に向けて総力を結集することが求められます。
栽培プロジェクト進捗管理の手順は次のようになります。
マスタースケジュールから4大ベースラインを作成して、そのベースラインで現在位置を認識し、その時点での計画値との乖離を把握します。
そこで、「予定より進んでいる」、「予定通り」、「遅延」、「遅延(コスト超過)」という判断を行います。
乖離が発生しているなら、原因を調査して適切な対策を打つわけです。
栽培プロジェクトの先を予測することで、その対策の効果を見極めます。
先の予測には、栽培プロジェクト・マネジャーの明確な意思決定が求められるようになります。
「意思決定のない栽培プロジェクト進捗報告」など、意味を持たないと認識すべきです。