圃場開発規模の増大で開発生産性が低下

52週アグリMD生産工程管理システム
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前回は「実現可能な栽培スケジュールを提示する」と題して、マスタースケジュールの内容をよく理解するために、その作成目的を整理しました。

栽培プロジェクトの規模が増大すると、開発生産性は低下します。

正確な表現をすると、栽培プロジェクトで開発する52週農業生産工程管理システムの開発規模、すなわち生産工程数が増加すると、その開発に必要な、栽培プロジェクトの開発工数が増加します。

そして圃場開発工数が大きくなると、栽培プロジェクトの開発生産性が低下します。

開発の肥大に比例して要員が増加することに加えて、開発生産性の低下によりさらに多くの開発工数が必要になるわけです。

この内容は重要性なので、わたしの経営する農業生産法人やコンサルタントする農家でも多くのプロジェクトマネジメント研修で使用してきました。

横軸に開発規模を示し、縦軸にその開発に必要な相対負荷を示します。


棒が高くなるほど、開発生産性は低下することを表すシンプルなものとなっています。 

相対負荷の単位「1」は、ある任意の農作物を優秀な人が生産開発までした時の相対負荷を示します。

それを単位に、その他の圃場の開発規模の相対負荷を示していきます。縦棒の一番下の部分は「最小労力」で、物作りに必要な最小の工数を示します。 

圃場開発要員の能力差で発生する負荷の変化を表して真ん中に「欠陥除去活動」を、栽培プロジェクトの品質を反映するものと見なすことができます。

栽培プロジェクトの品質が悪ければ、欠陥の除去作業が増加することを意味します。

この意味を一言でいうと、小型プロジェクトは開発要員の能力で栽培プロジェクトの相対負荷が決まり、超大型プロジェクトは栽培プロジェクトの品質でそれが決まるということになります。

この栽培プロジェクトと比較すると、相対負荷で約32倍の違いがあります。

この数値に注目してほしいのです。

開発生産性で表現するなら、この栽培プロジェクトは、ほかの栽培プロジェクトに比べて1/32の開発生産性しか出ないわけです。

栽培プロジェクトが大型プロジェクトに移る所で「欠陥除去活動」が急激に増加していく傾向があります。 

この栽培プロジェクトで、約1億円の栽培プロジェクトになり、本格的な栽培プロジェクトに変化するとよく言われます。

1億円クラスの栽培プロジェクトの推進には本格的な栽培プロジェクトマネジメントの知識が必要で、小型の栽培プロジェクトとは栽培プロジェクトの質が異なります。

小型プロジェクトで行われがちな、家内工業的な栽培プロジェクト運営の延長では、この規模の栽培プロジェクトはうまくいかないのです。

1億円近辺の栽培プロジェクトで失敗プロジェクトが多いのは、この認識が不足しているためでもあります。

この相対負荷の違いにも、注目していくと開発生産性はおよそ1/2に低下していくことがわかると思います。

開発規模の増加による開発生産性の低下は、栽培プロジェクト工数の増加につながります。これが栽培プロジェクトの開発期間を延長させるのです。

前のトピックスでも、同様の傾向を示していました。

栽培プロジェクトの大型化は、一時点に投入される要員の数を増加させるだけでなく、規模に見合った開発期間があることを意味しています。

投入要員の数を増加させて、短期間に栽培プロジェクトを遂行したい要望は強いのですが、それは生産プログラム作成等の限られた開発フェーズの話であって、栽培プロジェクト全体では通用しません。

全くつながりのないか、つながりの少ない開発を並行して行えば、短期間の開発も可能になるのですが、そのような栽培プロジェクトは少ないのです。

1つの栽培プロジェクトの中にある複数の開発は、相互に機能が連携し合っている場合が多いものです。