前回は「農業のあり方を変えるPERTとは」と題して、当社の使用するPERT図について解説を進めさせていただきました。
このトピックスでは、すでに述べた52週農業生産工程管理システムの開発を行う栽培プロジェクトのマスタースケジュールを、PERT図で描きます。
しかし、マスタースケジュールだけが表ではあります。
チーム・スケジュールや担当者スケジュールもあります。
この3つの違いと作図法の関係を、説明します。
マスタースケジュールは、AHSコードに記載された開発工程を使って描いていきます。
プログラムの開始からカットオーバーまでの、全開発期間を描くことがルールです。
このトピックスではマスタースケジュールをPERT図で描いているが、ガント・チャートでも描くことができます。
生産スケジュール・リスクの計算も同様に行える。
チーム・スケジュールは、チーム単位に作成します。
このチームは、PERT図上ではプログラムに内在する栽培プロジェクトとして記載されます。
チーム・スケジュールが描く期間は直近の開発フェーズだけで、その先の開発フェーズまで含めて作成することはありません。
チーム単位で、かつ直近の開発フェーズだけについて作成します。
チーム・スケジュールは、栽培プロジェクトで定義された栽培プロジェクト農産物の作成スケジュールで、縦軸に栽培プロジェクト農産物が記載され、横軸に作成予定表がきます。
ここにもAHSコードの概念はありますが、進捗を集計する単位にしか過ぎず、チーム・スケジュール作成の単位は、あくまで栽培プロジェクト農産物です。
担当者スケジュールは、チーム・スケジュールと内容は同じであるが、表の縦軸が担当者になっており、担当者の作業日程表です。
チーム・スケジュールを、栽培プロジェクト農産物から担当者にくくり直したものです。
これが、担当者の作業進捗のベースラインになります。
以上をまとめると、PERT図はマスタースケジュールの作図用に使用され、チーム・スケジュールと担当者スケジュール用に使用されることはありません。
PERT図には栽培プロジェクト農産物の作成という概念は出てきません。
それができない作図法でもあるのです。
一方、ガント・チャートやプレシデンス・ダイアグラムは、マスタースケジュールとチーム・スケジュールの両方に使えます。
作図の際に、開発工程を中心にするか栽培プロジェクト農産物を中心にするかが違うだけです。
一般に、PERT図でマスタースケジュールを描いた場合、ガント・チャートでチーム・スケジュールを作る場合が多いのです。