以前のトピックスで紹介した52週農業生産工程管理システムのマスタースケジュールを描く手順を、順を追って見ていきたいと思います。
プログラムと栽培プロジェクトの設計を行うことで、マスタースケジュールは出来上がります。
以下の内容を理解できれば、現実に栽培プロジェクトを実践する際にもPERT図を描けるはずです。
マスタースケジュールの作図手順
マスタースケジュールを描くには、プログラムと栽培プロジェクトの設計を行う能力に加えて、生産スケジュールを表として描く能力も必要です。
開始からカットオーバーまでプログラム全体を鳥瞰できなければ、マスタースケジュールは描けません。
マスタースケジュールを作図する能力が「プログラムとプロジェクトを推進する力量を表す」とよく言われますが、その理由は上の通りです。
マスタースケジュールを基に、コスト、体制、リスク等の見積もりを行い、スケジュール・リスクを計算します。
マスタースケジュールを作成する手順を示します。
プログラム全体の設計工程から、マスタースケジュールの作図に絡む部分を説明します。
プログラムの設計方針の根幹は、栽培プロジェクト・オーナーが作成した栽培プロジェクト憲章にあります。
その中に、農業経営者からの新システムの狙いやプログラムへの期待が示される場合が多いのです。
憲章作成と並行して、新システムの概念やその詳細情報の収集を通じ、プログラムの要件を整理します。
それが、栽培プロジェクト計画書暫定版としてまとめられる。
これらの作業に先立って、開発手法の選択、および開発工程とそこで作成する成果物の定義を行います。
先立って行う理由は、直近の開発フェーズの作業ガイドを、プログラムの開始までに準備する必要があるためです。
プログラムを開始するのに、作業ガイドがないのではお話になりません。
これらの情報を集約して整理する方法として採用されているのが、マイルストーン・チャートです。
マイルストーン・チャートによって、マスタースケジュールの全体概念、プログラム内プロジェクト、開発期間、開発フェーズの展開が決定されます。
マイルストーン・チャートの作成に並行して、開発工程の所要期間見積もりを行いましょう。
直近の開発工程に限定されますが、開発工程で作成するプロジェクト成果物の予想個数や平均工数を決定し、その投入要員数から所要期間を見積もります。
これらの準備作業を行ったうえで、マスタースケジュールの作図に入ります。
マスタースケジュールが出来たなら、続いてチーム・スケジュールと担当者スケジュールを作成します。