マスタースケジュールができたら、そこに内在する栽培スケジュール・リスクを計算しましょう。
栽培スケジュール・リスクは、生産プロジェクトの失敗という結果論で判断するものではありません。
マスタースケジュールが作成された時点で、すでに内在しています。
このリスクを導き出し、その対応策をマスタースケジュールに組み込む一連の手順を、以下に説明します。
これができればマスタースケジュールの実現性は高まり、栽培プロジェクト進捗管理のベースラインとして十分に使えるものになります。
マスタースケジュールの実現性を向上させる
生産プログラム・マネジャー、または栽培プロジェクト・マネジャーは、マスタースケジュールを作成するとき、自身の過去の栽培プロジェクト経験、他の栽培プロジェクトの情報、そして組織から与えられる開発生産性等の数値を利用します。
出来上がったマスタースケジュールには、彼らの思いが十分に詰まっています。
しかし、だからといってマスタースケジュールの実現性が確保されているとは限らないのです。
この不安を取り除き、実現性を向上させるためには、マスタースケジュールに内在するスケジュール・リスクを見積もる必要があります。
リスクへの対応策をマスタースケジュールに組み込むことで、実現性は飛躍的に高まります。
マスタースケジュールに対する不安も、著しく低下するはずです。
マスタースケジュールの栽培スケジュール・リスク分析について、まとめます。
栽培スケジュール・リスクの計算には、クリティカル・パス分析とベータ分析(PERT分析とも称される)を使用しています。
そこから出てきた栽培スケジュール・リスクへの対応策を、マスタースケジュールに組み込みます。
それには、リスクの大きい個所を選び出す必要があります。
そこに対応策が打たれれば、栽培スケジュール・リスクは間違いなく小さくなります。
こうした一連の作業が、マスタースケジュールの実現性を高めます。
以上のようなリスク対応策の存在を確認した上で、栽培プロジェクト進捗管理を行いたいものです。
少しでも遅延が発生したら、担当者を叱りつけている人を目にすることがあります。
多くの場合、少々の遅延は折り込んだ上でマスタースケジュールが描かれていることをその人が知らないか、そもそも全く余裕のない栽培スケジュールで動いているかの、どちらかです。
これでは、担当者が自分の責任を果たすことは難しいでしょう。