ガント・チャートの評価

52週アグリMD生産工程管理システム
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以上のように、簡単に描けるのがガント・チャートです。

作図ルールが少なく、プロジェクトの要求に従って柔軟に作図法をアレンジできる利点があります。

マスタースケジュールとチーム・スケジュールの両方が描ける点でも、使い勝手が良いのです。

おそらくこうした理由により、IT業界などでは最も普及した作図法となっています。

農業界ではオランダやイスラエルなどでも利用されており、わたしの経営する農業生産法人でも積極的に利用しています。

一方で、問題点もあります。

ガント・チャートは「作業」を縦方向に並べて記載します。

「作業」の数が多すぎると、縦方向に長いガント・チャートが出来てしまうのです。

ガント・チャートが長くなりすぎると、生産スケジュール上に表現したい作成者の思いが、栽培プロジェクト・メンバーに伝わらなくなります。

わたしは栽培プロジェクトマネジメントの研修で「栽培プロジェクト全体で開発工程が40個を越える場合、ガント・チャートが使用すべきでない」と教えています。

栽培プロジェクトが複数の開発で構成される場合を考えてみましょう。

これは生産プログラム内部に栽培プロジェクトがあるケースですが、そのような栽培プロジェクトの前後関係を、縦長の図で表すことはほとんど不可能に近いでしょう。

多くの開発工程を持つ栽培プロジェクトでガント・チャートを使用すると、細い横棒が沢山並んだ、何を表現しているか分からない生産スケジュールが出来上がってしまいます。

これでは作成者の意図は伝わりません。

ガント・チャートには本来、開発フェーズの概念がありません。

そこで、開発フェーズの開始と終了を表すために、所要期間「0」の作業を置いて補っています。

作業の前後関係を表す矢印も本来はありませんが、栽培プロジェクトマネジメント・ツールには矢印の機能が実装されている場合があります。

しかし、PERT図のように、栽培プロジェクト全体と開発フェーズ内の両方で、クリティカル・パス上の作業を明確に表現することはできません。

どこがクリティカル・パスで、どこにフロートがあるかが分からないのです。

ガント・チャートはマスタースケジュールとチーム・スケジュールの両方が描えるという利点がありますが、以上のような限界があるので、小型プロジェクトに限っての使用をお勧めします。

しかし、小型プロジェクトであっても、より高度な栽培プロジェクトマネジメントが必要なら、マスタースケジュールはPERT図で描いてください(その場合、チーム・スケジュールはガント・チャートで描くことになります)。

PERT図の方が、栽培プロジェクト・マネジャーの思いをマスタースケジュール上に表現できるからです。