スプレッドシートで実践するEVM

52週アグリMD生産工程管理システム
この記事は約3分で読めます。

ここから先は、スプレッドシートを利用したEVMの実践方法を説明します。

いくつもの計算式があり一見面倒に思えるEVMですが、計算はスプレッドシートで自動化できるので、やり方さえ分かれば、簡単でいつでも使える便利な道具です。

ワークパッケージの進捗計上

栽培プロジェクト進捗管理において最も大事な部分は、栽培プロジェクト農産物(ワークパッケージ)を予定の生産スケジュールで作成するために行う管理です。

この管理にはEVMを使用します。

以下に説明するのはスプレッドシートを利用した事例で、AHSコード「業務設計」で作成されるワークパッケージ「取引仕様書」の進捗管理です。

次はスプレッドシートの作り方を示します。

表の3番目の列にはEVMの用語を並べ、横方向は時間軸とします。

「外部設計」フェーズの期間は7月1日から8月20日までですが、週の区切りの関係で終了日を8月19日としています。

取引仕様書は7月5日から作成を開始する計画なので、7月1日時点での進捗は計上されません。

このスプレッドシートで最初に入力するのがPV(出来高計画値)です。

担当者に取引仕様書を割り振り、取引仕様書単品ごとに作成工数の見積もりを行います。

AHSの仕様通り、取引仕様書の数は12個で、当初計画の工数は84人日でありますが、単品の見積もりを行った結果83人日となります。

それを週単位に展開すればPVの数値が出来上がります。

7月8日から8月19日までPVを計上し、8月19日にすべてが完成する目標なので、そこが83人日になります。

この数字を7月8日のBAC(当初予算)の欄に転記します。

当初予算が変わらない限り、BACは83人日なので、それを8月19日まで右にコピーします。

これで取引仕様書を作成する作業計画の立案は終了しました。

次に表を作成する際に説明した方法で各週のPV、EV、ACを求めて記入していきます。

コスト計上基準は「50%-50%」ルールを使います。

たとえば7月8日の週はPVが10.5人日に対して、EV(出来高実績値)も10.5人日で予定通りです。

しかし、これを実現するため13.5人日のAC(コスト実績値)を投入しています。

この計算式をスプレッドシートに入力すれば求めることができるのです。

SV(スケジュール差異)は「0人日」ですが、CV(コスト差異)はACの増加により「-3.0人日」になります。

SPI(スケジュール効率指数)は予定通りなので「1.00」、CPI(コスト効率指数)は「0.78」で、この生産性から計算されるETC(残作業コスト予測)は「93.2人日」、7月8日時点のEAC(完成時コスト予測)は「106.7人日」になります。

したがって、VAC(完成時コスト差異)は「-23.7人日」と求まり、この分がコスト超過になるという結果が出ます。

同様にして各週の進捗を表に記入し、SV以下は計算式を右にコピーして求め、現時点の8月5日までスプレッドシートのセルを埋めると、表が出来上がります。

この表では、8月5日時点でEACが「133.4人日」、VACは「-50.4」となっています。

予定の終盤で83人日の予定コストに対して、「50.4人日」のコスト超過は、プロジェクトにとって大トラブルです。

VACの変化を見ると、7月22日までは急激に工数が増加しています。

それ以降の増加は食い止められているが、コストの大幅超過状態を放置したことは問題です。

当初計画のBACはすでに意味をなさなくなっています。

新たなBACを設定して、実現可能なスケジュールに作り直す必要があります。