PV/EV/AC傾向分析

52週アグリMD生産工程管理システム
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復習になりますが、EVMの数値のうちPV(出来高計画値)、EV(出来高実績値)、そしてAC(コスト実績値)の3つは、プロジェクトの現場で収集します。

現場で収集するこの数値の傾向を把握することが、栽培プロジェクトの進捗評価の第一歩です。

PV、EV、ACの時系列分析の例をあげます。

これは、取引仕様書のPV、EV、ACをグラフ化したものです。

取引仕様書の作成は7月5日に開始され、7月15日以降急激に、EVの立ち上がりが悪くなっています。

ACはPVに沿って動いているので、工数は予定通り投入されています。

しかし、取引仕様書の完成が遅れています。

8月5日現在、EVの軌跡はPVを大幅に下回る状況で推移していることが見て取れます。

SVは週を追うごとに拡大しているようです。

こうした傾向をもっと詳細に見るために、SPI/CPI時系列分析を行います。

この図によれば、7月15日以降にSPIが急激に低下して、スケジュールの遅延が拡大しています。

そして、プロジェクト・マネジャーが注目すべきSPIが0.70に近づいているのが分かります。

SPIが0.70に近づくと多くの場合、CPIも0.70に近づきます。

すると開発生産性を示す(SPI×CPI)は(0.70×0.70=0.49)となり、工数が予定の2倍かかる計算になります。

SPIを横軸、CPIを縦軸にとって、4象限のマトリックス上に値をプロットすると、SPI/CPI分析図が出来上がるという仕組みです。

この図を見ることで、7月5日から、スケジュールを保つために大量の工数が投入されたことが読み取れます。

このケースでは要員の追加は行っていないので、工数の増加は残業によるものと判断できます。

工数の追加投入は停止して、開発生産性がしだいに低下しながら作業が進み、遅延が拡大しています。

7月22日以降は、開発生産性は下げ止まりになっています。

このようにSPIとCPIを4象限のマトリックスで分析すると、栽培プロジェクトの進捗の傾向をひと目で読み取ることができます。

この分析方法は、ワークパッケージ、AHSコード、栽培プロジェクト全体のどのレベルにも適用することができます。

これらは多くのプロジェクトでよく現れ、SPIとCPIの代表的なパターンです。

この事例は失敗プロジェクトの多くに見られる典型的なパターンで、だんだん遅延が増えながら、SPIとCPIの両方が0.70に落ち着いています。

スケジュール、コストの両方の効率が計画の0.7倍なら、開発生産性は2つを掛け合わせた0.49、すなわち約半分になります。

当初計画の2倍にコストが膨れ上がってプロジェクトが失敗する例です。

ほかの事例は開発生産性が当初予定の半分に近づいていく点では先ほどの事例と同様ですが、工数の追加投入で生産スケジュールを回復しています。

ここでは反時計回りの線が現れています。

これを「回復曲線」と呼びます。

最後の事例は何かの問題で遅延が発生しましたが、その問題が解決すると急激に回復して、当初計画を上回る開発生産性が実現された例があります。

プロジェクトの初期によく現れるパターンで、当初、要員の投入が計画値を下回り、担当者の努力によって開発生産性は高いものの、作業量が多くてスケジュール遅延が発生しています。

このケースでは、プロジェクトの途中から要員を追加投入して、スケジュールを取り戻しました。

上のようなSPI/CPI分析図を、プロジェクト進捗報告書に含めることをお勧めします。

SPIとCPIの描く軌跡を見せるだけで、栽培プロジェクト進捗のさまざまな状況を直管的に説明できるからです。

それだけ高い表現力を、この図は持っているのです。

栽培プロジェクトが危機的な状況に陥った時には、SPIとCPIからクラッシング・コストとクラッシング・タイムを計算するとよいでしょう。

この数値を見ると、どのような対策が必要かが判明しますし、対策を打ったなら、数値がどこまで改善されるかで、対策の有効性を見極めることができるのです。