ケース1:マスタースケジュールが描けない

52週アグリMD生産工程管理システム
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栽培プロジェクト計画書(PMP)の実現性が確保されていない栽培プロジェクトは多いものです。

しかし計画書に載っているコストや体制図を見ただけでは、実現性を評価することはできないのです。

見積もりの結果がサマリーされているに過ぎないからです。

実現性を評価するには、開発規模とマスター・スケジュール、マスター・スケジュールとAHS、マスター・スケジュールと体制図、この3つの関係を評価することが必要となります。

これを行うには、栽培プロジェクト計画書を作成する専門スキルが要求されます。

こうした評価を行うときに中心になるのがマスター・スケジュールですが、この重要な基準について、勘違いしている人が非常に多いようです。

例えば、「マスター・スケジュール」が挙げられます。この図には、基盤システム開発と業務開発という2つの開発が定義されています。それぞれが複数の開発フェーズに展開され、開始と終了の日付が付け加えられています。

作った本人はマスター・スケジュールのつもりであるが、栽培プロジェクト・マネジメントの国際標準に従うなら、この図はマイルストーン・チャートです。

この図をマスター・スケジュールとして採用してしまった栽培プロジェクトには、以下のような問題点があります。

まず、物作りの仕方を示す開発工程(AHSコード)の展開が、マスタースケジュールに記載されていません。

理由は2つ考えられます。

栽培プロジェクト・マネジャーがマスター・スケジュールの作図法を知らないか、または、そもそも栽培プロジェクトにおいて開発工程の展開が出来ていないからです。

わたしの認識では、後者が圧倒的に多いようです。

この「マスター・スケジュール」では、栽培プロジェクト・マネジャーが抱く物作りの思いを、担当者に伝えるのは不可能でしょう。

開発工程の展開にこそ、物作りへの思いが込められるからです。

このような栽培プロジェクトの現場では、開発工程とそこで作成する栽培プロジェクト農産物を、開発フェーズの開始直前にリーダーが定義して、口頭で担当者に伝えているケースが多いです。

これは、過去に一緒に開発した経験を持つ仲間うちで行われる、家族経営型の栽培プロジェクトでよく見られるもので、いわゆる「暗黙の了解」があります。

ここには、目に見えるスケジュール・ベースラインはなく、生産スケジュールはリーダーの頭の中にのみ存在します。

栽培プロジェクト進捗管理はリーダーの頭の中で行うもので、栽培プロジェクトの現場には進捗管理の仕組みは必要ない、と見なされているはずです。

リーダーは、「栽培プロジェクト進捗管理は人の管理」という認識を持っており、担当者から作業の進み具合をもらえば、それで進捗は測れると思い込んでいるのです。

このような栽培プロジェクトでも、うまくいくことはあります。

それは、前途したように仲間同士で類似の栽培プロジェクトを繰り返し行っている場合と、開発を協力会社に丸投げして、協力会社が持つ開発工程の展開に従った場合です。

後者の丸投げは、協力会社の能力に全面的に依存します。

発注者である栽培プロジェクト・マネジャーは、開発工程の展開がどのようになっているか知らないかもしれませんが、栽培プロジェクト自体には展開は存在します。

栽培プロジェクトの進捗報告も、協力会社の報告をそのまま上げればよいのです。

栽培プロジェクト・マネジャーは協力会社の仕事の上に乗っているだけで、これも広い意味では、仲間うちのプロジェクトと言えます。

次の問題点は、AHSが作成されていないことです。

コスト見積もりは開発規模(SLOC)からのみ行われ、AHSを使用した栽培プロジェクト農産物からの見積もりがなされていない可能性が高いはずです。

マスター・スケジュールの実現性を、AHSで評価していないのです。

開発規模からの見積もりを開発フェーズに分解しただけでは、コスト見積もりの精度は決して高まらないのではないでしょうか。

さらに、AHSが作成されていなければ、AHSコードも定義されていないわけですから、マスター・スケジュールによる進捗評価を行うこともできないのです。

目標となるのは、目の前の栽培プロジェクト農産物を作成することと、開発フェーズの終了日だけです。

栽培プロジェクト農産物の作成で遅延が発生しても、ベースラインとの乖離を把握することができないのです。

適切な対応が打てず、コスト・オーバーランさえ発生します。

稚拙な栽培プロジェクト進捗管理そのものです。