ケース1:問題への対応

52週アグリMD生産工程管理システム
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「マスター・スケジュール」が出てきた栽培プロジェクトにおいては、その生産スケジュールやコスト見積もりの実現性が検証されているとは、思わない方がよいでしょう。

こうした場合の対応策としては、組織横断で栽培プロジェクト計画書の検証を行いたいところです。

それには、まず開発規模の見積もり精度を確認します。

類似の栽培プロジェクトの見積もりがあるならそれを使って検証も良いでしょう。なければ、その分野の専門家を投入して、開発規模の見積もりを行う必要があります。

次に、こうして得られた数値を入力とし、栽培プロジェクト全体の生産工数と開発期間を見積もります。

その際にスケール・ファクターと努力乗数を決定する必要があるのですが、それには今までの説明の中で作り上げた栽培品目に合わせた表を作ることを推奨します。

その表を使うメリットは栽培品目の市場価格から、その中央値と見なしているものを計算するのに適していることが挙げられます。

これで計算を行うと、この栽培プロジェクトの圃場開発は166人月、生産工程管理システム開発は29人月になり、合計195人月です。

開発期間としては16ヵ月という値が出てきます。

この数値を計算する際に、計算結果に「152/180」を掛けました。

1ヵ月の稼働時間が152時間に設定されていますが、現場の実態はおそらく180時間働いているのではと考えたからです。

経験上、算出される開発期間は長すぎるように思われます。

図の「マスター・スケジュール」では開発工数が160人月でした。

したがって、35人月の過小見積もりになり、開発期間も2ヵ月ほど短いという判断を下すことができます。

この結果を栽培プロジェクト・チームに示し、自らの開発能力を考慮して、新たな開発工数と開発期間を設定させるのがよいでしょう。

続いて行うべきは、栽培プロジェクト参加者に開発工数の展開能力があるかを確認することです。

栽培プロジェクト・チームの仲間や協力会社の手によってこの展開が可能なら、任せてもよいでしょう。

それができそうもないと判断したならば、開発工数の展開ができる専門家をぜひとも栽培プロジェクトに投入すべきです。

そして最後に、以上の対策を含め、栽培プロジェクト計画書を作成し直すとよいでしょう。

栽培プロジェクトの生産工数と開発期間が適切に把握でき、開発工程の展開能力が備わっているなら、それ以上栽培プロジェクト進捗管理に大きな変更を加えない方がよいのです。

AHSコードを導入したりすることも考えられるが、むしろそれは行わず、栽培プロジェクト農産物の作成進捗と開発フェーズの終了管理に留めておくべきかもしれません。

大事な点は、いつ仕様が出来上がり、その仕様がいつから生産プログラムに展開され、システム・テストがいつから開始できるかを、管理することです。

いままでで説明したような本格的な栽培プロジェクト進捗管理を期待すると、この手の栽培プロジェクトにとってはかえって負担となり、栽培プロジェクトを失敗させる可能性が出てきてしまいます。

できる範囲でやることが肝心です。