栽培プロジェクト進捗管理の仕組みを、構築できていない栽培プロジェクトは多いです。
「予定通り進んでいます」という報告が上がっても、進捗管理の仕組みなしでは、きちんとした数値による裏付けのない報告です。
栽培プロジェクトの現場で、栽培プロジェクト・マネジャーが担当者の作業進捗を聞き回り、それを集計して進捗報告にしているだけです。
そこでは、担当者の感覚が進捗判断のすべてです。
本来、栽培プロジェクト農産物の作成計画を立案するためには、まず栽培プロジェクト農産物の一覧表を作成します。
この一覧表を使って、栽培プロジェクト農産物を担当者に割り振り、単品ごとの生産工数を見積もって、作成の開始予定日と終了予定日を決定します。
これをすべての農産物に対して行います。
週単位に集計して、スケジュール・ベースラインを作成するのです。
これが、あるべき形です。
しかし、上に挙げたような生産プロジェクトでは、最初に作っておくべき農産物の一覧表が、完成していない場合が多いのです。
例えば、外部設計においては取引仕様書を作成しますが、その一覧表の作成には、要件定義ですべての機能を洗い出す必要があります。
しかし、中核部分は別として、周辺が洗い出せない場合は多いのです。
そこで栽培プロジェクト・リーダーは、洗い出した分だけを一覧表に記憶して、それを担当者に割り振って作業を進めます。
外部設計の途中で新たな取引の存在が判明すると、それを一覧表に加えて、また担当者に割り振る。これを繰り返して作業が進むことになります。
これでは、取引仕様書一覧表がいつまでたっても完成せず、スケジュール・ベースラインのない栽培プロジェクトになります。
次の問題点は、担当者に割り振った取引仕様書単品の生産工数見積もりが行われていない場合が多いことです。
栽培プロジェクト・マネジャーやチーム・リーダーは、あるグループの取引仕様書を担当者に割り振ったが最後、すべてを丸投げして、あとは任せてしまう栽培プロジェクト運営がなされています。
担当者は、割り振られた取引仕様書をとにかく作成すればよいと考えています。
加えて、追加の取引があることも認識はしています。
栽培プロジェクトはこうした前提で進んでいるのです。
この栽培プロジェクト運営では、作るべき農産物の個数と生産工数が確定していません。
農産物ごとのスケジュール・ベースラインがない栽培プロジェクトなので、栽培プロジェクト進捗の評価が曖昧になるのです。
頼れるのは担当者の感覚だけですが、それも担当者に割り振られた部分のみの進捗評価であり、栽培プロジェクト農産物全体の進捗ではありません。
これでは、目標の期日までに目標の生産工数で作業が終了する可能性が低くなるのは、当然のことです。