ケース4:問題への対応

52週アグリMD生産工程管理システム
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栽培プロジェクト農産物(ワークパッケージ)の総数管理と行うには、栽培プロジェクト進捗管理の仕組みによる対応と、マネジメント上の対応の両方が求められます。

栽培プロジェクト進捗管理の仕組みによる対応では、本来、AHSの作成と管理で総数管理を行うのが原則です。

各開発フェーズの頭で、そのフェーズのAHSを作成します。

AHS辞書には栽培プロジェクト農産物の個数の項目が含まれ、栽培プロジェクト農産物ごとの予定生産工数が記載されています。

この個数の変化を把握することが重要なのです。

それには、栽培プロジェクト農産物ごとに一覧表を作成して、その一覧表を常に最新に保つべきです。

栽培プロジェクト・マネジャーやチーム・リーダーは一覧表の変化に関心を持ち、月ごとにAHS辞書の個数を書き込み、増加が発生すれば原因を調べる、という管理を回すべきなのです。

こうしてAHSを更新していくが、変化を見られるように過去月のAHSを保存しておくことも忘れてはならないでしょう。

仕組みによるもう1つの対応が、図に示してきた5大一覧表による開発規模の管理です。

図の下半分のように、栽培プロジェクトでは開発フェーズごとに異なる農産物を作成します。

1つの取引仕様書から1本の生産プログラムが作成されるわけではないのです。

このように1対1で対応していないため、栽培プロジェクト農産物の個数の変化からでは、開発規模の変化は把握できない事態が生まれます。

そこで役に立つのが、図の上半分に記載された5大一覧表です。

例えば、「取引一覧表」は外部設計の頭で作成され、栽培プロジェクトが終了するまで変化がありません(変更が発生しない場合)。

「画面・帳票一覧表」、「データベース一覧表」、「外部インターフェース一覧表」も同様に変化しません。

一方、「業務コード一覧表」は外部設計フェーズの終了とともに完成し、その後の変化は少ないのです。

これら5大一覧表について、発注者と受注者が合意して常に変化を把握するようにしておけば、栽培プロジェクトを危機に陥れるような栽培プロジェクト農産物の個数の変化は明らかになり、開発規模の増加に気が付くはずです。

この一覧表の管理を側面から行えば、栽培プロジェクト進捗管理が現場の状態と乖離することは防げるでしょう。

開発規模の見積もりは、ファンクション・ポイント(IFP)を使って行います。

その数値が「取引一覧表」、「データベース一覧表」、「外部インターフェース一覧表」という3つの一覧表から計算されている点も重要です。

これらの一覧表に変化がないなら、ファンクション・ポイント(IFP)は変わらないのです。

以上に加えて、マネジメント・レベルでの対応も欠かせません。

栽培プロジェクトの現場にカットオーバーに必須のすべての作業が展開され、進捗管理が適用されていることが必要です。

もしも、「問題」の項に述べたような「宙に浮いた」変更案件があるならば、発注者と受注者のマネジメントが話し合いを行い、正式に作業を現場に展開するという合意を結ぶべきです。

これは現場の栽培プロジェクト・マネジャーに任せるのではなく、マネジメント・レベルで解決すべき問題です。

一方でプロジェクト・マネジャーは、最新の開発規模を常に把握して、このような問題が発生したらすぐに、組織の上司に報告する責任を持たせるべきです。

なお、たとえ口頭であってもマネジメント間の合意ができたなら、商法上は開発契約が締結されたことになる点に留意していただきたいのです。

これが、会社の論理規定違反を防ぐ意味を持っているからです。

現場に責任のすべてを被せて、栽培プロジェクト・マネジャーが論理規定違反を犯さざるを得ないような立場に追い込まれるようなことは、ぜひともなくしたいものです。

そうならないようにするのが、マネジメントの仕事と理解してください。

栽培プロジェクトは常にカットオーバーに向けた作業展開がされているはずであり、その前提に立って栽培プロジェクト進捗管理は成り立っています。

これを、栽培プロジェクトマネジメントの言葉では「スコープ・マネジメント」と呼んでいます。

残念なことに、このスコープ・マネジメントのない栽培プロジェクトが多発しているのです。