わたしの経営する農業生産法人では加工用トマトの産地化進めています。
そんな中でトマトの生産者のこころにお邪魔して学ぶことが多いのですが先日も神戸で活躍される篤農家のところで研修させていただきました。
ここでは収穫したトマトを使って調理を行って実際に口に運ぶまでを体験した中で重要だなと感じたポイントからトマトの食感は重要だというお話をさせて頂きたいと思います。
糖度とは可溶性固形物でその他、成分的内質が優れていても、食感が劣っていると評価が低くなります。
これには、食べるとすぐに果汁が口の中に溢れだすというような《ジューシーさ》が評価の第一関門になっていると考えられます。
ニンニク搾り器を用いたJI値(%)。
ジューシーとの評価が高いトマトのJI値は75%以上に及びます。
一方で評価の低いJI値は60%程度でした。
このように、ジューシーさは、今後日本の生食用トマトの品質や栽培技術の差別化要因になり得るため、より高度な分析技術の開発が望まれますね。
JI値求め方は
搾汁液の重量/果肉片の重量×100
消費者はトマトに巧妙な外見を求めているわけではなくてトマトらしい鮮赤色が好きです。
香気成分は抽出が非常に困難です。
高品質感や貯蔵でそこなわれたであろう好ましい成分の特定までは確認できていません。
したがって現状では長期貯蔵することなく、完熟に近い方が好まれるといえるわけです。
そしてトマトの食味の組織成分で重要なのは、クエン酸です。
酸含量の品種による違いは、糖含量の強いよりも食味に強く影響を与えています。
また栽培も組織成分を左右します。
トマトの糖度は、甘味より酸味やえぐみ、苦味と密接に関連して濃度ストレスをかけると「かたい、えぐい、苦い」など、食味に問題が出てきます。
栽培に目を向けたとき、一般に果菜類の酸度に深く関係する養分はチッソだと考えられています。
しかしわたしはK⁺などカチオンが関係していると考えています。
トマトをつくる上で大切にしたい3つのポイント
・品質選びは、生産者視点ではなく、消費者視点を持つこと
・トマトの健康を常に考えること
・周年安定出荷を目指すこと
消費者が求めているトマトというのは、色や外観よりも、食べる人が笑顔になるような「本物の味」をもつことだとわたしは考えています。
そこで成分に目を向けると、クエン酸が重要であり、カチオンの関与に注目したいと思っています。