鉄コーティングするときの施肥設計2

10倍儲かる水稲「鉄コーティング栽培」
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鉄コーティングする時の施肥設計の第2弾です。

鉄コーティングするときの施肥設計

3.基肥―発肥料の有機質の有無と肥効の特徴

(1)有機質原料の種類

・原料によって肥効の長短があり、なたね油かすや大豆油かす、有機入り複合肥料は肥効が速く、基肥・穂肥の両方に利用できます。

有機質100%の肥料

     フェザーミール(鶏の羽を加圧蒸製し乾燥させたもの)

     魚かす

原料  蒸製皮革粉

     脱脂米ぬか

     なたね油かす

(2)有機質を含まない基肥―発肥料

①土壌条件(地力、地温など)や肥料による肥効の違い

●基肥―発肥料では地温や水温によって穂肥相当量、シグモイド型被覆肥料では窒素溶出が変わります。

●一般的に低温年では平年にくらべて稲の生育は遅れ、高温年では早まります。被覆肥料の溶出も同じです。天候によって稲の生育と肥料の溶出が連動し、収量が大きく減少しません。

②施肥量による肥効の違い

基肥―発肥料の最大の課題

        ↓

その年の気象予測などができない状態で、穂肥までの肥料を基肥時に一括施肥すること。

●前の分施体系より窒素成分で1~2割程度減肥し、必要に応じて追肥で対応。

③気象条件による肥効の違い

●基肥窒素が速効性のリン安主体の場合は、施肥直後から全量が吸収できる状態(100%無機化)となっているので、基肥分の窒素が同量だったら、有効分げつ終止期までの初期生育は慣行分施栽培と同じ推移をします。

●穂肥窒素として配合されているシグモイド型被覆肥料の溶出は、地温に影響されます。なので、低温年は窒素の溶出が遅れ、高温年は早まります。水稲の出穂も同じなので、栽培品種の早播性に合わせた基肥―発肥料を選べば、被覆肥料の溶出時期の前後が収量・品質にあたえる影響は少なく、もっとも影響をあたえるのは窒素の総溶出量なので、施肥量は慎重に決定します。

(3)有機入り基肥―発肥料

①窒素の溶出パターン

●有機入り基肥―発肥料の場合は、初期の窒素溶出量自体が少なく、全期間でも窒素の溶出量はほぼ一定です。このために、初期生育はわるく茎数も少なく推移し、最高分げつ期を過ぎても一定量の窒素が溶出するため、茎数の切れ上りが悪くなります。

●基肥に相当する被覆肥料の割合が低いので、穂肥窒素の施用量は不じゅうぶんな場合が多く、葉色の発現も確認しにくくなります。被覆肥料の成熟期までの窒素溶出割合も80%以下で、地力の低い圃場や、とくに後期栄養が不足する圃場では、登熟が不じゅうぶんになりやすくなります。

●有機質由来窒素が30%の肥料と50%の肥料では、速効性窒素および緩効性窒素の配合比率が違うために、窒素の溶出パターンも異なります。

●有機質窒素が30%の肥料のほうが、有機質を含まない基肥―発肥料の溶出パターンに近くなります。

②生育パターン

●基肥窒素が有機成分主体の有機入り基肥―発肥料は、チッソの無機化が気象や地温、水温の影響を受けるため、慣行分施体系有機質を含まない基肥―発肥料に比べて、初期生育は劣ります。

●田植え直後に吸収可能な窒素は、その肥料に配合されているリン安だけで、低温年や中山間地では初期生育の遅延・停滞しやすく、そのことをじゅうぶん認識して使用します。

●穂肥に相当する被覆肥料は、有機質を含まない基肥―発肥料とチッソの溶出パターンが同じですが、基肥と穂肥の配分比率が違います。

 基肥―発肥料が概ね4:6

     それに対し ↓

 有機入り基肥―発肥料は有機30で6:4

                 有機50で7:3

上記のように、基肥分が多く穂肥分が少なくなっています。

●穂肥分が少ないので、後期栄養不足が懸念される圃場や高温年では、穂肥を追肥施用する必要があります。