マルハナバチの謎

年収1000万の農家になるまでに僕が読んだ100冊の本
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わたしの経営する農業生産法人では養蜂の可能性なども探っており、そんな中で本書に出会いました。

本書の著者ハリフマンはユダヤ系のロシア人で、1902年ウクライナ共和国の南部、モギリョフ・ポドリスキー市に生まれました。

高校を終えると、著名なミツバチの研究者であり、この本の中にも出てくるグービン教授をしたってモスクワ農業大学に進み、卒業後「ミツバチ」に関する論文で生物学修士になります。

1950年に発表した『ミツバチ』は51年ソ連国家賞を受賞し、盲人、子どものために再話されたものをふくめて41か国20か国語に翻訳出版されました。

さらに1952年から78年の間に、社会性昆虫を主人公にした科学読み物を「児童文学出版所」からつぎつぎに世に送り出し、1966年には昆虫記で有名なファーブル、ミツバチのダンスを発見したフリッシュについてのドキュメンタリー的中編小説を『永遠の光』という一冊の本にまとめて「ソビエト作家出版所」から出版しています。

この本は『マルハナバチとシロアリ』と題して1972年「児童文学出版所」から出版されたうちの、『マルハナバチ』をほぼ全訳したものです。

これはお話しではなく、ほんとうのマルハナバチの成長の過程なのです。

東京あたりでは年々住宅地が広がり、家の近くではもうほとんどトンボやチョウの姿を見ることができなくなりました。

マルハナバチはもともと高地や北国に住むハチですから、私たちの目に触れる機会はありませんが、山の近くで見たことがあるという人はきっとあることでしょう。

ともあれ、マルハナバチは巣づくり、子育て、巣の管理の点でもミツバチとはかなりちがった習性をもっています。

けれどもマルハナバチはやはり社会性昆虫なのです。

フランスのルコント博士の研究での実験で、マルハナバチの栄養交換の謎がミツつぼにもあることが分かりました。ミツつぼはマルハナバチのいわば共同の胃袋だったのです。

ここでマルハナバチの栄養交換は行われていたのでした。

巣の中の働きバチの大半は姿を消し、年をとった女王バチも大役を果たして一年の生涯を終わっているか、この日もま近いころ、巣の中には若い雄バチと女王バチたちが生まれてきます。

雄バチは生まれた三、四日後のある日永久に巣を去り、美しく着飾った未来の花嫁の散歩道に臭いの縄を張ります。

そして若い女王バチはその匂いの縄を頼りに花嫁のもとへ飛び立ち、やがて冬ごもりの穴をみつけて孤独の眠りに入るのです。

一ぴきの若い女王バチではじまったこの巣は、夏の最盛期の大きなコロニーをへて、今若い女王バチにつぎの世代をたくして終わろうとしています。

数少ないマルハナバチの研究者のこれまでの努力につづく、地味なそしてひたむきな力が若い皆さんに期待されているのです。