本書はISO22000とは何かについて入口の部分が書かれた入門書的な位置づけだと思います。
本書だけで実際にISO22000を構築することは難しいでしょう。
しかし、何事も千里の道は一歩からといいまして千里先のステップまでどう進めばいいかのナビゲーションがあれば意外とどうとでもなりますよね。
私自身がJGAPの指導員をしているので自社農場もその方向でもちろん考えていますが加工業への進出まで視野に入れた場合に無視できないのでコレです。
組織全体のマネジメントシステムを整えてやることで食品ハザードを未然に防止することが目的となっています。
従来の食品に関する規格では、設備や機器の整備などのハード面や、製造現場での衛生管理の徹底が重視されてきました。
このためにコストをかければかけるほど食品の安全は万全になるとか、厳しい衛生基準があれば食品事故が発生するリスクを減らせるなどといった発想に流れてきました。
しかしやみくもにコストをかけたところで食品事故を防げないのは明らかだし、経営的にも負担になります。
また立派な管理基準や食品安全マニュアルを作ってもスタッフがそれを守っていなければ絵に描いた餅にすぎません。
そもそも食品安全に100%安全の絶対はありません。
ISO22000ではそのことを前提に可能な限り食品の安全性を100%に近づけるための取り組みを目指しているといっていいでしょう。
食品の安全に求められているのは厳格な食品衛生基準や立派な設備ではありません。
組織全体が取り組んでる仕組みが重要なのです。
企業経営と同じで、そのためには徹底して「チェック」「レビュー」を行うことが大切なんだということですね。