露地栽培の万願寺とうがらしにアグリハック

超多収のためのアグリハック
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伝統野菜の栽培については伝統に対して敬意を払いつつも高度のマーケティングを加えれば価格競争が起こりにくい商材です。

その商品としての魅力をいかに生産していくかについての【アグリハック】をご紹介しています。

本ブログでは一般的な伝統野菜の栽培方法についてはあまり触れておりませんので悪しからず!

栽培についての効率化や収益性についてヒントとなるような内容にフォーカスさせていただいております。

*注:2019年9月に再編させていただきました。

作業が楽でコストがかかりません!

昨年の栽培面積は50アールほどで3000本の万願寺とうがらしを栽培しました。

台風18号などの影響で大きく減収しましたが賞をいただくなど手応えをつかめてきたところでございます。

わたしの経営する農業生産法人はやっと4期目ということで水田の転作地が多く、根張りをよくするために大きな畝をたててみたり、灌水装置をつくってみたり、排水対策の研究を重ねてきました。

仕立て方についても研究を重ねてきましたが栽培を始めた当初は竹を伐採してきて使ったり、イボ竹を使って4本仕立てで栽培していましたがこの方法だと誘因のひもの数が膨大になって大変でした。

これでは収穫の時に手がスムーズに動きませんし、重量が分散しないので横からの風などに弱くて根を傷めている危険性を感じていました。また紐は消耗品で経費も馬鹿になりません。

そこで翌年に試してみたのが平面3本仕立てという方法でした。これは一定の成果をあげましたがさらなる成果を求めて本年度やってみるのが「平面3本仕立て2.0」です。

畝の両端を足場材などでしっかり固定します。従来のやりかただとそこに3本の誘引紐を渡すだけですが株ごと支えるために「中張り」と「横張り」を増やします。

平面3本仕立てよりは誘引紐は多く必要ですが4本仕立てよりは少なくてすみますし、なにより生育に合わせて調整できるのがメリットです。

まず5月に定植した苗のそばに支柱を立てて、その日のうちにテープナーなどで苗を固定します。風で揺れるのを防いで根を傷めないためです。

このときに固定する位置が低すぎると意味がなく、高すぎると茎を風で傷めてしまうので注意が必要です。

次の誘引作業までは突風に対して無防備な状態が生じるので可及的速やかに次の誘因に着手します。

そして生育状態を見て最初の分岐の少し上にムシコンテープ(銀色のテープでおまじない程度の虫除け効果が期待できる)を支柱に絡めながら通していきます。

万願寺とうがらしの生長とともに、中張りが分岐枝の間に挟まって春の突風から株を守ってくれます。

収穫期を迎える少し前に3mごとに本支柱を立てていきます。本支柱の上にエクセル線を張って万願寺とうがらしの樹を挟み込むようにしてマイカー線で横張りします。

高さや幅は万願寺とうがらしの生育に合わせます。横張りに幅を持たせるために畝の両端で板を挟みましょう。

横張りが終わったらバインダー紐をちょうどいい長さにカットしてエクセル線と支柱に固定します。その先端に生長してきた万願寺とうがらしの枝と横張りに結んで株を固定します。

6月中旬には収穫が始まってると思いますがムシコンテープで2段目の中張りをします。これも株の固定が目的で今度は支柱と本支柱にも固定していきます。

そして2段目の横張りはやや広めにしてバインダー紐でマイカー線と枝を固定します。1段目と同じ要領ですが2段目はマイカー線の幅をやや広めにするのがポイントです。

これで万願寺とうがらしの樹全体を理想的な形に近づけることができます。

初夏に入ると2段目の横張りが終わっていると思いますが、この頃に整枝選定をしましょう。株の内側に向かって伸びた「ふところ枝」を除去するのが主なミッションです。

万願寺とうがらしは枝葉が多くて混み合ってくると樹が弱って病害虫の被害に遭いやすくなります。

夏以降は万願寺とうがらしの生長に応じてバインダー紐をいったんほどいて2段目の横張りを上につり上げます。

こうすることで横張りが2本、つり上げ紐(バインダー紐)は1株に4本で済みます。

この作業は面倒に思えますが万願寺とうがらしの株が理想的な形で広がって収穫の時にもスムーズに手が入ります。

なお、この仕立て方は生育に合わせて仕立てるのがポイントなので生育と合ってないならばメリットはありません。

万願寺とうがらしがどう育つのか、常に先をみて圃場環境を整えることで仕立て方を理想型に近づけてやることが何よりも大切なことです。