この記事の執筆中も代掻きに追われております。
管理する面積は今後もどんどん増えていくでしょうし計画をしっかりして準備を万全にしておく必要があります。
そこで来年への布石として備忘録的に記録しておきたいと思います。
準備するもの
・浸種した種子
・噴霧器
・コーティング資材
・焼石膏
・コーティングマシン
・クボタ自動鉄コーティングマシン
・酸化調整機
・育苗箱またはビニールシート
・苗ラック
粉衣方法
コーティングマシンを使用した粉衣方法で、圃場に合ったコート比が選べ、農閑期を利用してコーティング作業ができます。
粉衣精度にばらつきがある場合の粉衣方法
粉衣のメリット
・コート比が低いときの仕上げ精度UP
・焼石膏の使用量約15~35%カット
・種子表面が滑らかになり、脱粉衣が少なくなる
粉衣手順
①浸種が完了した種籾をコーティングマシンに入れ、作動させたら籾の動きを確認します。
②混合物(あらかじめ鉄粉と焼石膏を混ぜたもの)を少しずつ入れながらコーティングし、籾を手に取って鉄粉の付き具合をチェック。
③噴霧器のノズル位置は、ドラムの底に水を付着させない(光沢が出ない)位置と高さから、落ちてくる籾に噴霧し、籾に丸みをつけます。
④ドラムの外周に集まった鉄粉や籾をスクレーパ等を使って整流化、コーティングムラを無くします。
⑤コーティング後、仕上げ用の焼石膏を少しずつ入れて、コーティング籾の表面を仕上げます。
水の噴霧ポイント
①焼石膏と混合された鉄粉がドラムの外周に集まってくるなら、水分不足と判断して、スクレーパで整流化しながら少しずつ噴霧器で水を噴霧する。
②光沢のある種籾がドラムの外周に集まり、付着しているなら、水分過多なので、水の噴霧を控える。
鉄コーティング後の酸化および管理
①コーティング直後の管理
鉄粉が酸化するときに発生する酸化熱による種籾へのリスク低減のために、粉衣が終わった都度、薄く広げて酸化反応熱を放散させます。
②コーティング翌日以降の管理
コーティング種子が新鮮な空気にさらされる様に全体を攪拌し、薄く広げて噴霧器で水を直接籾の表面全体が湿る程度に噴霧して酸化を促進します。
③コーティング後1週間以降の管理
酸化が完全に完了したかサンプルを持ってビニール袋に入れて、籾の表面が湿る程度に水を噴霧し、発熱の有無で確認します。発熱があるようであれば酸化が完了していないと判断し、継続して酸化促進を図ります。
発熱がない場合には酸化は完了、水分量が15%程度まで乾燥させて保管します。
機械による酸化(鉄コーティング種子酸化調整機)
①コーティング後の種子を網袋に入れて酸化・乾燥します。
②コーティング作業を含めて、約3日間で完全酸化した鉄コーティング種子ができ上がります。
③1回の作業で50kg(乾籾)の鉄コーティング種子ができます。
④浸種後の乾燥にも利用できます。
播種前の発芽率調査
必ず播種前に発芽テストをして、発芽率を確認してください。
発芽テスト方法
①プラスチック容器等にコーティング種子100粒を水をひたひた程度にして並べておく。
②25~30℃の条件下に1週間程度、水を補給しながら観察し、発芽した種子としない種子を数えて発芽率を計算する。
③発芽器を利用すれば、効率的かつ精度が高まる。
④発芽率が90%以上あれば成功!